ハロー効果とは
ハロー効果(Halo effect)とは、何かを評価するとき、一部の特徴的な好印象に引きずられて、全体の評価が歪められてしまう現象のこと。
コロンビア大学教授のエドワード・ソーンダイクが1920年に自身の論文の中で紹介しています。
なんだろ・・字がきれいだから仕事も丁寧だろう・・みたいな感じ?
そうだねー。字がきれいなことと仕事が丁寧であることはホントは無関係なのにね。
一部の好印象が全体の評価につながる
「こないだ入社した佐藤さん、英語がペラペラらしいよ。」
こんなとき、”英語ができる”という高評価に引っ張られて、
「英語ができる?きっと仕事もできるんだろう」と考えてしまいがちです。
これこそがハロー効果。英語ができるということと、仕事ができるということはあまり関連性がありません。それにも関わらず、あくまで1つの評価要素である「英語ができる」ということに影響されて、「優秀な人なんだろう」と全体の評価も好印象になっています。
一目惚れもハロー効果の影響です
もう1つ例を挙げるなら、初対面の人に恋心が芽生えてしまう、いわゆる「一目惚れ」も、このハロー効果のせいで発生しています。
本来ならば、私たち人間は相手の様々なことを総合的に判断しているはずです。
ユーモアがある人なのか?家族を大事にする人なのか?経済力は?誠実で勤勉なのか?
しかし一目惚れの場合は、相手の「見た目」がMAX好評価だったということに影響されて、きっと性格も優しい人に違いない、誠実な人に違いない、経済力もあるに違いない、
まさに自分の理想の相手だ!・・・なんて錯覚しているわけです。
ハロー効果を利用する
それならば、ハロー効果を利用して他人に対し好印象を与えることも可能なのではないか。
とにかく身なりをキチンと整えることや、徹底的に丁寧な言葉遣いをすること等。何か1つの評価要素をとにかく好印象にし、全体の評価の向上を狙う・・
面接やプレゼンの場など、相手に好印象を持ってもらって損することはありません。
そのために、なにか1つのことを磨いておく。それも1つの作戦ですよね。
ハロー効果に惑わされない
そして逆に、何か物事を評価する立場であれば、このハロー効果に惑わされずに正しい評価を下すことはとても重要です。
一つの良い特徴に惑わされず、総合的な視点を持つよう心掛けたり、良い特徴だけでなく、悪い点や課題にも注目し、客観的に評価することが重要です。
ハロー効果は、私たちの判断や人間関係に影響を与える興味深い現象です。他人を評価する際に客観性を保ち、フェアな判断を下すことが大切です。
(参考文献)
Palmer, Carl L.; Peterson, Rolfe D. (March 2016). “Halo Effects and the Attractiveness Premium in Perceptions of Political Expertise”. American Politics Research
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