パレート図

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パレート図とは

パレート図(Pareto chart)とは、品質管理や問題解決のために使用される統計的なツールのこと。この図は、アイデアや問題の優先順位を可視化するのに役立ちます。

イタリアの経済学者であるヴィルフレード・パレートにちなんで名付けられました。

 

法則うさぎ
法則うさぎ

最も効果が見込まれそうなことから着手しよう♪

イトケン
イトケン

お医者さんも同じような原則で患者さんの治療をしているよ。

 

 

 

効果が見込まれることを優先すべき

問題を解決したり、物事を改善するときに陥りがちな罠の1つが、優先順位を見誤ってしまうことです。

「他にやるべきことがあるのに、別のことに注力してしまう」という状態がまさにそれに当たります。

ではここで、パッとしないラーメン屋さんに寄せられたお客様の声を見てみましょう。

 

 

アンケートでは、「お店が汚い」とか「接客態度が悪い」と言ったものなど、様々なお客様の意見が寄せられました。お店側としてはどれも見過ごすわけにはいかない貴重な声です。

しかしこんな時、ラーメン屋としては「スープがマズい」という問題に注力してしまいがちです。

もちろん、スープがマズいというのは大問題ではありますが、それは全体のたった9%の意見です。

それよりも「お店が汚い」「接客態度が悪い」という大多数の声を最優先させるべきなんですが、「スープがマズい」なんて言われたもんだから、そっちの問題を放置できないというラーメン屋としての感情が優先順位を狂わせてしまうことがあります。また、問題への着手のしやすさから、同じように優先順位を狂わせてしまうこともあります。

そして、あまり改善効果のないところに注力することで「問題に対処してる感」が生まれてしまい、他の重要な問題への着手が遅れてしまう可能性も懸念されます。

 

 

パレート図を書いてみた。

パレート図は、問題の優先順位を可視化できる優れたツールです。

データを集計するところがスタートなのですが、今回は上記のラーメン屋のアンケートを利用します。

 

アンケート結果を数の多い順番で棒グラフで表します。

この中で「お店が汚い」というご意見は15件でした。これは全体(42件)の35%に当たります。

 

今度は、2番目に多かったご意見「接客が悪い」について見てみましょう。

「接客が悪い」という意見は9件でした。

先ほどの「お店が汚い」というご意見と「接客が悪い」というご意見を合わせると、15+9で24になります。

この24件というのは全体(42件)の58%になります。

このようにパレート図は棒グラフに累積比率の折れ線グラフを追記していくものです。

つまり、最後は累積比率が100%になる折れ線グラフが追記されます。

このパレート図から見えてくるものは、「お店が汚い」と「接客が悪い」という2つの問題を解決することでおよそ6割の問題が解決できることが分かります。

ついでに「値段が高い」という問題まで解決できればおよそ7割の問題が解決できることが可視化されています。

このように、パレート図を作成することで、問題の優先順位が一目でわかり、最も重要な要因に対処できるようになります。また、リソースの効率的な使用や品質の向上にも役立ちます。経営、製造、サービス業界など、さまざまな分野で幅広く利用されているテクニックです。

 

 

優先順位を「見える化」

パレート図は、問題解決と優先順位付けに役立つ強力なツールであり、基本的な概念と作成手順を理解すれば、さまざまな分野でその有用性を活かすことができます。

また、優先順位を見える化することで自身が優先順位を理解するのに役立つのは勿論、上司や取引相手など他者に対しても理解を促す重要なものです。

問題の本質を把握し、賢明な決定を支援するために、ぜひパレート図を活用してみてください。

(参考文献)
牧野都治「格差・パレート図・ABC分析」日本評論社, (1984) https://amzn.to/3v8S5IO

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