心理的リアクタンス

やる気

心理的リアクタンスとは

心理的リアクタンス(Psychological reactance)とは、心や行動の自由が脅かされた時、自由を取り戻そうとする心の反発のこと。

人々は自分の心や行動の自由が制限されることに対して反応的に抵抗することがあります。人間の心は常に自由でいることを望んでいるということです。

アメリカの心理学者であるジャック・ブルームによって提唱された心理的リアクタンスは、コミュニケーション、マーケティング、指導、教育などのさまざまな分野で考慮され、現在では人々の意思決定や行動に影響を与える要因として注目されています。

 

法則うさぎ
法則うさぎ

他人に自分の行動を読まれるのがイヤなのも、これに似てるよね。

イトケン
イトケン

結果として他人の考えと自分の行動が同じになるので、なんだか他人に従ったみたいになっちゃうからね♪

 

 

心理的リアクタンスの例

心理的リアクタンスは、私たちのさまざまな日常の状況で見られます。以下はいくつかの具体的な例です。

規制や制約への反応
喫煙者が公共の場での喫煙が禁止されると、その規制に反発して喫煙を続けようとします。この場合、自分の行動や選択が制約されたことに対する心理的リアクタンスが生じています。

意見や提案への反発
会社で新しい業務手順が導入されたとき、従業員がそれに反発して受け入れにくい態度を示すことがあります。これは、変更が自分の作業や自由に影響を与えると感じ、心理的リアクタンスが生じている典型的な例です。

親からの制約に対する反抗
子供が親によって厳しく制約されると、自分の意思決定や自由が制限されていると感じ、これに反発することがあります。例えば、厳格な学業の制約や外出制限がある場合などです。

広告や営業活動に対する反応
マーケティングキャンペーンが過剰な圧力をかけると、消費者はその製品やサービスに対して心理的な抵抗感を示すことがあります。これは、自分の選択が制約されているように感じるからです。

学習環境における反発
学校や大学で学生が特定の科目を選ばざるを得ない場合、その選択が自分の興味に合わないと感じ、その科目に対して心理的リアクタンスを示すことがあります。

 

 

心理的リアクタンスのメカニズム

心理的リアクタンスは、社会的な圧力、規制、指示などに対する抵抗心理として現れます。

個人は、自分の選択肢が狭められることに対して反発し、その自由を再確立しようとする傾向があり、人々が抱く自己決定権の欲求に起因しています。

例えば、自主的に「宿題を済ませてから遊びに行こう」と考えた子供に対し、親が「宿題を済ませてから遊びに行きなさい」というのは、心理的リアクタンスの発動に繋がります。結果として、親に言われたから、それに従って行動をしたような構図になってしまうからです。

たまには宿題してから遊びに行こう・・・

宿題は終わったの?

宿題を済ませてから遊びに行きなさい!

えっ・・今やろうと・・

もういいや!ゲームしちゃお!

そして、子供は自分の心の自由を再確立するために、自らの最初の行動計画である「まず宿題をする」という計画を止めてしまい、反発するように宿題をせずに遊びに行ってしまうという仕組みです。

 

(参考文献)
Brehm, J. W. (1966). A theory of psychological reactance. Oxford, England: Academic Press.

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