ダンバー数とは
ダンバー数(Dunbar’s number)とは、人間が安定的な社会関係を維持できるとされる人数の上限のこと。
オックスフォード大学のロビン・ダンバー教授は、人間をはじめとした集団生活をするような動物には高度な知能が必要であるとし、脳の大きさが集団の大きさに比例しているんじゃないかとした大胆な仮説を立てました。
つまり脳が大きい動物ほど、群れに属する個体数も大きいとした考え方で、この仮説をもとに「人間が社会関係を築ける数は150人が限界である」と結論付けました。
スマホの連絡先には300人くらい登録されてるけどな僕。
陽キャめ・・・。
なぜ150人限界説が生まれたのか?
ダンバー数の考え方では、人間が適切な関係を築くことができる限界を150人としており、その数を超えてしまうといろいろと問題が発生すると言われています。
少し前に闇営業で話題になったお笑い芸人カラテカの入江さんは「人脈芸人」と呼ばれ、友達がなんと5,000人もいるということを謳っていましたが、多すぎる人脈のせいで怪しい詐欺グループとも友達になってしまい炎上してしまいました。
最近の入江さんのインタビューによると、事件のあと1人また1人と人脈が途絶えていき、現在はダンバー数に近い100人ちょっとになってしまったと語ってらっしゃいました。
また、以下の図は友達の数と交際人数との関係を表したものです。
この図をみると、友達の数が増えるに従って交際人数も増えていますが、友達の数がダンバー数150人に達した後は頭打ちになっています。
このダンバー数を理解する上で重要なのが、結局のところ150人以上だと、私たちの脳の処理能力を超えてしまう可能性があるという点です。カラテカの入江さんだって友達5,000人もいたら、誰が何をしている人かなんて覚えてられないわけです。
ということは、ずいぶん大胆な仮説に思えたダンバー教授の脳の大きさで150人を生み出した手法も、理屈に合っているということになるのかもしれません。
いろいろなダンバー数
このダンバー数は人類の歴史上、そして現代でも頻繁にみられる数字です。
結果的にたまたまそうなっただけかもしれませんが、300人でも200人でもダメな理由があったにちがいありません。
防水透湿性素材「ゴアテックス」で有名なアメリカのWLゴア&アソシエイツ社では、オフィスで働く人の人数が150人を超えるようならば、もう1つ別のオフィスを建ててしまうと言われています
ダンバー数を越えてしまうことで、従業員の意思決定や判断が遅いものになってしまうことを危惧して、このような対応をしているとのことです。
また、お客さんの数がダンバー数150人を超えてしまうようであれば、salesforceやkintoneのような顧客管理システムの導入を検討する時であるとも言えます。
いずれにせよ、ダンバー数150人というのは、1つのやり方を変える目安となり得るもののようです。
より有益な社会的つながりのために
ダンバー数は、私たちが維持できる社会的な関係の限界を示す興味深い概念です。
組織や個人の生活において、この数を意識することでより良いコミュニケーションとつながりを築く手助けとなるでしょう。
人間関係において「質」が「量」よりも重要であることを考えながら、ダンバー数を理解することで、より意味のあるつながりを築くことができるかもしれません。
(参考文献)
ロビン・ダンバー「友達の数は何人? ダンバー数とつながりの進化心理学」インターシフト(2011)https://amzn.to/3Tn4FhT
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