シロクマ実験とは
シロクマ実験(White bear problem)とは、何かを考えないように努力すればするほど、かえってそのことが頭から離れなくなる「皮肉過程理論」(IPT)を調べた実験のこと。
アメリカの心理学者ダニエル・ウェグナーが行った実験がこちらです。
ウェグナーは、実験参加者たちにシロクマの映像を見せたあと、それぞれのチームに異なる指示をします。
Aチームに
「シロクマのこと覚えておくように」
Bチームに
「シロクマのこと考えても考えなくてもOK」
Cチームに
「シロクマのことを考えてはいけない」
そして数週間後、最もシロクマのことを覚えていたチームは・・・「シロクマのことを考えてはいけない」と指示されたCチームでした!という実験結果になりました。
これは、シロクマのことを考えるな!って言われたために、うっかり考えていないかどうかを常に脳内チェックしている状態(監視過程)が続いたためといわれています。
つまり、辛い出来事や元カノのことを考えないようにしよう…って言うのはますます頭の中に残ってしまうということです。
昔の彼女を忘れられないのがこの男!
やかましいわ!(涙)
忘れたいことを忘れる方法
過去に何かを失敗した経験っていうのは、どうしても忘れたいものですが、考えないようにすればするほど、頭の中が失敗のイメージで悶々としてしまいます。結果としてスランプに陥ったり、必要以上に過度な緊張を呼び起こすことも少なくありません。
また例えば、ダイエット中、食事制限中に食べたくなってしまうこってりとした脂っこい食べ物。そんな食べ物のことを考えてはいけないと思えば思うほど、結局頭の中がその食べ物で支配されて、欲求に負けてしまいダイエット失敗に終わってしまった経験がある方もいるのではないでしょうか。
辛い失恋のことを忘れるには、新しい恋人を作るのが一番良いと言われますが、それは頭の中を新しい恋人でいっぱいにすることで、昔の恋人のことを1ミリも思い出す隙を与えないということです。もちろん、失恋の記憶を思い出してはいけないと考える隙すら与えません。
よって、何かを忘れたいのであれば、隙間なくギッシリと脳の中を新しいことでいっぱいにすることが大事です。
おすすめは、ズバリ今までやったことのないことに挑戦すること。
新しいことにチャレンジすることで、新しい情報がどんどん脳に入ってきます。今まで話す機会もなかった新しい人々の情報もインプットされます。そうすることで、脳に隙を与えず余計な思考を巡らせないようにするわけです。
(参考文献)
植木理恵「シロクマのことだけは考えるな!人生が急にオモシロくなる心理術」新潮文庫(2011)https://amzn.to/3TJXekO
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