トルネード図とは
トルネード図(Tornado chart)とは、各項目ごとに影響度を比較表示する視覚的分析ツールのこと。
ある1つの要素が変動した時の全体に及ぼす影響度を分析した(いわゆる感度分析)の結果を分かりやすくしたものです。形が竜巻(トルネード)のように見えることから命名されました。
各要因の影響を棒グラフで表し、影響の大きさに応じて棒グラフを上下に並べることで、最も影響力のある要因から順に可視化します。
このパラメータがちょっと動くと、全体結果にどれだけ影響するのかな
それを見える化したのがトルネード図だよ♪
ダイエット計画で考えてみる
一般的にトルネード図は、プロジェクトやビジネスの意思決定過程において、さまざまな要因が最終結果に与える影響の大きさを視覚的に比較するためのツールです。
そのためビジネスで活用されることが多いものですが、今回は分かりやすく個人のダイエット計画で考えてみます。
よくダイエット専門家の方がおっしゃる言葉で「消費カロリーよりも摂取カロリーが少なければ、必ず痩せる」というものがあります。
消費カロリーを、基礎代謝と運動量に分けて、3つの要素になりました。
これらの3つの要素のブレ具合でダイエット結果にどのように影響を及ぼすかトルネード図で見ていきましょう。
摂取カロリーは2000kcalを想定していました。
ここでは±20%のブレ具合を考えてみます。
摂取カロリー20%増の場合
2400kcal - (基礎代謝+運動量) = +670kcal
摂取カロリー20%減の場合
1600kcal - (基礎代謝+運動量) = -130kcal
基礎代謝は1530kcalを想定していました。
ここにも±20%のブレを加えてみます。
基礎代謝20%増の場合
摂取カロリー -(1836kcal+運動量)= -36kcal
基礎代謝20%減の場合
摂取カロリー -(1224kcal+運動量)= +576kcal
運動量は200kcalを想定していました。
同じように±20%のブレを加えます。
運動量20%増の場合
摂取カロリー - (基礎代謝+240kcal) = +230kcal
運動量20%減の場合
摂取カロリー - (基礎代謝+160kcal) = +310kcal
3つの項目の影響を棒グラフで表し、影響の大きさに応じて棒グラフを上下に並べることで、最も影響力のある要因から順に可視化します。
摂取カロリーの項目を見ると、たった±20%のブレで、結果が±800kcalと大きく影響を受けてしまうことが分かります。
逆に運動量の項目は、同じように±20%のブレがあっても、±80kcal程度の影響しかないようです。
(しかも±20%ブレても、オーバーカロリーであることは変わらない)
つまりダイエットには摂取カロリーが重要な要因となる
トルネード図の最大の利点は、複雑なデータや情報を簡潔かつ直感的に理解できる点にあります。
特に以下のような場合に有効です。
トルネード図の活用
トルネード図はリスク優先順位の選定に役立ちます。リスクが最終結果に与える影響の大きさを基に、リスク対策の優先順位を決めることができます。
また、最も影響が大きい要因にリソースを集中させることで、効率的なリスク対策やプロジェクト管理を行います。
健康的なダイエットは大切ではありますが、運動量のような全体結果にあまり影響を及ぼさない箇所に注力すべきではないことが分かります。
それよりも、たかだか±20%のブレで全体結果に大きく影響を与えてしまう摂取カロリーのコントロールを優先的に取り組むべきであることも言うまではありません。
影響度を視覚化する
トルネード図は、リスク分析、意思決定、感度分析など、幅広い分野で有効なツールです。
これを活用することで、計画のの不確実性を管理することができます。
視覚的に分かりやすい図であるため、第三者に物事をプレゼンする時や、コミュニケーションツールとしても有効です。
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