デザイア・パスとは
デザイア・パス(希望線、Desire Path)とは、公式に設計された道ではなく、利用者が最も効率的または便利と感じる経路を通って自然に形成された道のこと。
草地を横切る小道や、公園内のショートカットなど、人々の歩行によって自然にできた道として現れます。
人間の自然な行動の軌跡としてデザイア・パスは、現実世界の小道に限らず、デジタルコンテンツのユーザービリティ向上において重要な考え方です。
そっちのほうが便利だから、みんな通るのであって…
利用者の動きは、利用者のニーズを表すのだ。
なぜデザイア・パスは作られるのか?
デザイア・パスは、計画された道路や歩道が、実際には人々の動きやニーズを完全には捉えきれていないという事実から生まれます。
人々は自然と、目的地に最も早く簡単に到達する経路を求めます。
この結果として形成されるデザイア・パスは、利用者の実際の行動パターンを反映しています。
デザイア・パスから学べること
デザイア・パスは、都市計画やランドスケープデザインにおいて重要な教訓を提供します。
これらの「自然に選ばれた」経路は、公式の計画がいかに利用者のニーズに応えている(または応えていない)かを示すバロメーターのようなものです。
デザイア・パスを認識し、それを設計に取り入れることで、より利用者に優しい空間を作ることができます。
また、デザイア・パスの概念をデジタルコンテンツの導線に応用することは、ユーザーエクスペリエンス(UX)設計において非常に興味深い視点を提供します。
実世界のデザイア・パスが、最も効率的または直感的な経路を自然に形成する現象であるように、デジタル環境内でもユーザーが自然に求める最も快適な経路や動線を理解し、それに基づいた設計を行うことが重要です。
例えば、ウェブサイトの設計において、よくアクセスされるページへのショートカットを設置することがあります。
FAQページや、お問い合わせページへの直接リンクをトップページに設置することで、ユーザーの求める情報へのアクセスを容易にします。
これは、ユーザーが最も求めている情報への最短経路を提供することで、デザイア・パスの原理をデジタルコンテンツの導線に適用した例です。
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