家具の裏側とは
家具の裏側(Back of the dresser)とは、目に触れない部分でも、高い品質基準を満たすべきとした考え方のこと。
Apple創設者であるスティーブ・ジョブズが雑誌インタビューで回答したエピソードがその由来です。
美しいタンスを作るとき、壁に面していて誰にも見られないとはいえ、背面にベニヤ板を使うことはないでしょう。たとえ壁に面していて誰にも見られないとしても。
夜、ぐっすり眠るためには、美的センスと品質が最後まで貫かれていなければなりません。
スティーブ・ジョブズ
上記の棚を壁沿いに設置した場合、背面を目にすることはありません。
そのため、目に触れない背面を低品質の板にすることでコストを抑えているわけですが、スティーブ・ジョブスとしては、これがどうしても許せないということです。
確かに、apple社の製品は表も裏も美しいものです。
ジョブズは、製品の外観の美しさはもちろん、ユーザーが直接見ることのない内部の設計にまで、極めて高い品質と美的感覚を追求しました。
例えば、Macの内部は非常に整理されており、iPhoneやiPadのような製品は、内部コンポーネントまで洗練されたデザインが施されています。
これらの製品は、ただ機能するだけでなく、「見えない美」を追求するジョブズの哲学を体現しています。
美しさには手抜きは不要!統一感が大事ってことね。
美しさよりも機能性とか安さを重視する人もいるし、人それぞれだね♪
品質へのこだわりが生み出す価値
ジョブズの「家具の裏側」へのこだわりは、単に製品の品質を高めるだけでなく、ユーザー体験全体を豊かにしました。
アップル製品が単なる技術的な進歩を超え、感情的なつながりをユーザーに提供する理由の一つとなっています。製品を使うたびに、その背後にある思考と努力を感じ取ることができるのです。
ジョブズは「全体的に一貫性があってこその品質」とも言っていることに、強いこだわりを感じます。
この「家具の裏側」に対するこだわりは、彼が築き上げたブランドや製品の成功において、決して見過ごすことのできない要素です。この教訓は、製品設計だけでなく、どんな仕事をする上でも大切な原則を私たちに教えてくれます。
それは、目に見えないところにこそ、真の価値があるということ。そして、その価値を追求することが、最終的には見た目以上の深い満足と誇りを生み出すということです。
スティーブ・ジョブズの遺したこの教訓は、今日でも多くのクリエイターやデザイナーにとって、大きなインスピレーションの源となっています。
一部の残念なところが全体の品質を落とす
美的センスに限らず、私たちの周りには様々な品質の問題があります。
最近耳にするのは、いわゆるバイトテロ。
衛生管理にめちゃくちゃ気をつけて飲食店を経営していても、たった一人のバイトテロによって、その店の評判はガタ落ちしてしまいます。
一部の頭おかしいバイト君がやらかした事件だとしても、それはお店全体の品質に直結してしまうわけです。
また、悪いところが1つでもあると、全体の評価を落としてしまうこともあります。
例えば、新入社員の「声が小さい」こと。
「声が小さい」というたった1つの欠点によって、あいつは消極的な性格なんじゃないか、コミュニケーションが苦手なんじゃないか…などなど、無関係な要素の評価まで下がってしまうリスクもあります。(ホーン効果)
徹底して、全体の高品質にこだわるジョブズの考え方は、彼が築き上げたブランドや製品の成功において、決して見過ごすことのできない要素です。
この教訓は、製品設計だけでなく、どんな仕事をする上でも大切な原則を私たちに教えてくれます。
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