ゲギャンのヒッチハイク実験とは
ゲギャンのヒッチハイク実験(L’experience d’auto-stop de Gueguen)とは、様々な状況下において、ヒッチハイクの成功率を調べた実験のこと。
実験の主催者である南ブルターニュ大学のニコラ・ゲギャン教授は、これまでもちょっと変わった実験を行うことで有名でした。
・赤い服のウエイトレスは多くのチップを獲得するか?
・ロマンティックなBGMはナンパの成功に影響するか?
・香水の有無で、見知らぬ人が協力的になるか?
バラエティー番組の企画のような変わった研究が多く、時にはネットで炎上してしまうような研究者ですが、彼のヒッチハイクの成功率を調べた実験(しかも何度も実施している)をご紹介します。
ヒッチハイクの成功率なら、愛想よくしたほうがいいんじゃない?
そんな研究だと炎上しないでしょ!
バストが大きければ、ヒッチハイクは成功しやすい
研究結果:
バストが大きいとヒッチハイクは成功しやすい。
女性のバストサイズがヒッチハイクの成功率ににどのような影響を与えるかを調査した実験。この研究では、20歳の女性協力者にパッドなどを使いブラジャーのサイズを調節、バストサイズを変化させてヒッチハイクに挑戦してもらいました。1200台の車を調査した結果、バストサイズが大きくなると、立ち止まって車に乗せてくれる男性ドライバーの数が大幅に増加することが分かりました。なお、女性ドライバーの場合は変化が見られませんでした。
炎上度:🔥🔥🔥
研究結果:
金髪の女性はヒッチハイクを成功しやすい。
女性の髪の色がヒッチハイクの成功に与える影響を調べたもの。この研究では、金髪、栗色、赤など特定の髪の色が、ドライバーに止まってもらう可能性に影響するかどうかを調べたものです。結果として、金髪が最もヒッチハイクに成功するとの結論に至りましたが、偏見を助長するとの理由で大炎上しました。
炎上度:🔥🔥🔥🔥🔥
研究結果:
メイクをした女性のほうがヒッチハイク成功しやすい
化粧がヒッチハイクの成功率に影響を与えるかどうかを評価した実験。20歳から22歳の女性4人が、顔の化粧をした場合としなかった場合とで、1600人の男女ドライバーの停車頻度を比較した。結果として、顔の化粧は男性ドライバーの停車数の増加と関連していた。なお、化粧は女性ドライバーの停車頻度には影響しませんでした。
炎上度:🔥🔥
面白い女性はヒッチハイクに失敗する?
なかなか色モノ実験が多い、ゲギャン教授のヒッチハイクシリーズですが1つ興味深いものがあります。
それは「面白い女性は敬遠される」といったものです。
このヒッチハイク実験は、行き先を示すボードに「ニコニコマーク」を描き足した場合、成功率にどのように影響を与えるか?と言ったものでした。
結果として、男性のヒッチハイカーはニコニコマークを描くと成功率が上がって、女性のヒッチハイカーはニコニコマークを描くと成功率が下がってしまいました。
これは、男性のユーモアは受け入れてやすくて、女性のユーモアは受け入れにくいためである!とゲガン教授は結論付けています。
言われてみれば、テレビ番組を観ても、男性のお笑い芸人さんでモテる人が多い気がしますが、女性のお笑い芸人さんはどちらかというと「非モテ」系の芸風でらっしゃる方が多い気がします。
よって、男性は面白くてユーモアのある人がモテるけど、女性の面白い人はモテない・との結論も、まぁ当たってはいるのかな・・と感じてしまいます。
一応、ゲギャン教授をフォローする
そんなゲギャン教授の専門は行動心理学で、特に人間の援助行動に関する研究が多くみられます。
援助行動とは、心理学ではいわゆる「人助け」のことで、ゲギャン教授は人間が人助けを行う時の心の動きを研究している研究者です。
人助けと言っても様々で、電車で高齢者に席を譲るというものもあれば、命を張って他人を守るものなどなど、自分にとってメリットが無いどころか、時にはむしろ損害を生み出してしまう人助けもあります。
実は、今回ご紹介したゲギャン教授の実験には一貫性があり、見ず知らずの人が「人助け」をするにはどのようなことがきっかけになるのかを調べた研究がほとんどです。
ドライバーにとって、見ず知らずのヒッチハイカーを「人助け」させるほど彼らの心を動かすものは一体何なのか?
それは、おっぱいなのか、金髪なのか、お化粧なのか、ということを調べているわけです。
性的行動に関する研究が炎上したり、データ偽造疑惑があったり(大学側は不正は無かったとしている)お騒がせなゲギャン教授ですが、彼の研究によって、少しでも「人助け」のメカニズムが解明されれば今よりも優しい世界になるんじゃないかと思います。
(参考文献)
Nicolas Gueguen「Bust Size and Hitchhiking: A Field Study」(2007)https://journals.sagepub.com/doi/10.2466/pms.105.4.1294-1298
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