ホルミーシス仮説

メンタルヘルス
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ホルミーシス仮説とは

ホルミーシス仮説(Hormesis Hypothesis)とは、もともと生物学や毒理学の文脈で使われる概念で、ごく弱い刺激やストレスは、生体にとって有害どころか、むしろ回復力や適応力を高めて、健康に働きかけることがあるという考え方です。

一般的には、「体に悪いものは、少なければ少ないほど良い」と考えられがちです。
しかしホルミーシス仮説は、その直感に疑問を投げかけます。
量が多すぎれば害になるが、少量であれば逆にプラスに働く場合があるというのです。

この考え方の起源は19世紀末にさかのぼります。
ドイツの薬理学者 フーゴ・シュルツ は、酵母の実験を通じて、消毒薬が高濃度では成長を抑制する一方、低濃度では成長を促進する現象を観察しました。
この知見が後に整理され、「ホルミーシス」という概念として発展していきました。

なお、ホルミーシス仮説は、特定の一人が完成形として提唱した理論というより、
毒性学・生物学・医学の分野で繰り返し確認されてきた現象をまとめた枠組みと理解するのが適切です。

 

 

ホルミーシス仮説とアンチエイジング

ホルミーシス仮説の観点から、抗酸化物質がアンチエイジングに有益であると考えられています。適切な量の抗酸化物質は、細胞に微弱なストレスをかけ、これによって細胞の修復や再生が促進されるとされています。

そして運動もまた、ホルミーシス仮説の一形態と言えます。適度な運動は骨や筋肉に微小な損傷を与え、これによって身体は修復・強化されるとされます。過度な運動は逆に体に負担をかけるため、適度な量が重要です。

高温環境下に肉体を晒すサウナや、体を冷やす水風呂も、それ自体は体に負荷を与えるものですが、適量であればむしろ体に良いとされているのも同じです。

 

 

ホルミーシスの限界と注意点

ホルミーシスはあくまで一般的な傾向であり、全ての物質や状況に当てはまるわけではありません。生体反応は個体差があり、一概には言えません。

また、効果を最大限に引き出すには、適切なバランスが重要です。微量であっても、過剰摂取や過度なストレスは逆効果になりかねません。

ホルミーシス仮説は、微量のストレスが逆に健康に良い影響を与えるという興味深い概念です。

アンチエイジングや健康促進の観点からは、適切な量の抗酸化物質や運動がホルミーシスを活かす重要な要素となります。しかし、個体差やバランスの取り方に留意しながら、これらのアプローチを組み合わせることが大切です。

ホルミーシス仮説の不思議な力を理解し、健康な未来に向けて活用してみましょう。

(参考文献)
川嶋朗監修, ホルミシス臨床研究会編集「健康&美容の最新療法 ホルミシスの力」辰巳出版(2016)https://amzn.to/3Rohztu

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