エビングハウスの忘却曲線

記憶
PR

エビングハウスの忘却曲線とは

エビングハウスの忘却曲線(Ebbinghaus’ forgetting curve)とは、人は学習した内容を、時間の経過とともにどのようなペースで忘れていくのかを示した心理学の概念です。

この理論を提唱したのは、19世紀後半のドイツの心理学者ヘルマン・エビングハウスです。
彼は「記憶」という曖昧になりがちなテーマを、実験によって定量的に測ろうとした最初期の研究者でした。

エビングハウスは、自分自身を被験者として、意味を持たない文字の並び(例:BAF、KEDなど)を記憶し、時間が経つにつれてどれだけ忘れるかを記録しました。
その結果、記憶はゆっくりではなく、最初に一気に失われるという特徴的なパターンが明らかになりました。

 

 

人はどのように、どれくらいの速さで忘れるのか

 

忘却曲線の最大の特徴は、学習直後から急激に忘却が進む点にあります。

上の図の赤い線を見てみると、経過日数とともに記憶が低下しているのが分かりますが、1日目の記憶の低下はとても急激なものになっています。

エビングハウスによると、私たちは覚えた20分後には42%を忘れ、1時間後には56%、1か月後には79%を忘れてしまうとのこと。それを示した上記のグラフが、このエビングハウスの忘却曲線です。

つまり、忘却は一定の速度で進むのではなく、学習直後に大きく落ち、その後はなだらかになるのです。

これは、人間の記憶が「保存されるか、消えるか」の二択ではなく、思い出しやすさが時間とともに低下していく仕組みであることを示しています。

重要なのは、忘れること自体が異常でも怠慢でもないという点です。
忘却は、脳が情報を整理し、不要なものを手放すための自然な働きでもあります。

 

 

復習すると記憶の定着がハンパない

 

このエビングハウスの忘却曲線で注目したい点が、復習をした場合の記憶の定着についてです。

上の図の緑の曲線が、復習をした場合の忘却曲線です。この忘却曲線は、比較的緩やかなカーブを描いています。

上の図は、2日目、3日目、4日目に復習をしたことを示していますが、なんと3度復習した場合の忘却曲線はほとんど横ばいになっており、記憶が定着していることを示しています。

 

つまり
・重要な予定は後で一度見直す
・学んだことを誰かに説明してみる
・メモを「見る前提」で残す

といった工夫が、忘却への自然な対抗策になります。

エビングハウスの忘却曲線は、記憶力を責める理論ではありません。
忘れることを前提に、どう付き合うかを教えてくれる考え方です。

忘れない人になるより、忘れる自分をうまく前提にできる人のほうが、学習も仕事も長く続けやすくなります。

(参考文献)
L.クピリヤノヴィッチ「記憶力をよくする」講談社(1982)https://amzn.to/4aobllS

コメント

タイトルとURLをコピーしました