アサーションとは
アサーション(Assertion)とは、自分の意見、感情、および権利を尊重し、相手を尊重しつつ自己主張をするスキルのこと。
自分も相手も大切にするコミュニケーションテクニックと言われています。
アサーションは、1950年代に米テンプル大学医療センターのジョセフ・ウォルピ教授らによって開発され、1980年代に日本に広まりました。
ストレスが多い職場、ハラスメントが起きる人間関係。それでも、相手と対等に自己主張をするためにアサーションに注目が集まっています。
自己表現の3タイプ

相手の気分を損ねることなく、自分の主張をちゃんと伝える。
特に日本では「上司の言うことは絶対」という空気があったり、最近では逆に、若手社員の気持ちに配慮しすぎて「叱ることができない上司」なんかも耳にします。
同僚に仕事を頼まれて「NO」が言えずに、しぶしぶ引き受けてしまうなんてことはないでしょうか?
相手のことを敬う。確かにそれは日本人の素晴らしい道徳観ではあるのですが、もっと自分自身を大切にしてもいいというのがアサーションの基本理念です。
言いたいことを言ってしまうことで、日常に波風が立ったりしてしまうのではないか? ならば、物事を穏便にやり過ごすほうが、正しい対処法なのではないか?という意見もあります。
しかし、アサーションは言いたいことを一方的に伝えることではありません。
自分の言いたいことを伝え、かつ、相手の意見もリスペクトし、フォローする。
穏便にやり過ごすという無難なやり方よりも、ちょっと上のレベルのコミュニケーションを指しています。
個人の抱えるストレス問題、それに伴う生産性の低下。言うべきことを言わずにいることで、個人にとっても組織にとっても悪影響を及ぼしてしまうのは明らかです。
アサーションの考え方では自己表現には3つのタイプがあるとされています。
1.非主張的自己表現 ×
自分よりも相手のことを優先し、自分の考えや気持ちを言いたくても圧し殺し、結果的に相手の言うことを受け入れてしまう自己表現のこと。

・・・分かりました。(しぶしぶ)
2.攻撃的自己表現 ×
自分の考えや気持ちをとにかく通そうとして、一方的に相手に押しつけたり、攻撃的な強い口調で言い負かしたりする自己表現のこと。

なんで私ばっかり!(怒)
3.アサーティブな自己表現 ◎
自分の主張を伝えながらも、相手の気持ちや状況に配慮したコミュニケーションができる自己表現のこと。

今はちょっと手が離せないんで、
明日で良ければ手伝いますよ。
自分のことも相手のことも、どちらも尊重するのがアサーションの考え方なので、相手のことを優先してしまっている「1.非主張的自己表現」や、自分のことだけを優先している「2.攻撃的自己表現」は、望ましい自己表現とは言えません。
アサーションを身につけるためのDESC法
アサーションを身につけるためのコミュニケーション手法の1つとして、DESC法というものがあります。
DESC法は、アサーションスキルを向上させるために非常に役立つコミュニケーション手法です。自己主張をする際に感情的な対立を避け、より効果的なコミュニケーションが可能になります。
(例:上司から、無理っぽい仕事を頼まれた場合)

この仕事お願いできないか?
1.「描写」(Describe)
客観的事実を相手に伝える。

午前中までに別件の作業を終わらせなくてはいけません。
2.「表現」(Express)
自分の気持ちを表現・説明する。

お手伝いしたいのですが、今は難しいです。
3.「提案」(Specify)
妥協案・解決策などを具体的に提案する。

午後であれば手が空くと思うので、それでよければ手伝います。
4.「選択」(Choose)
提案に対する相手の反応に応じて、選択肢を示す。

お急ぎなんですね。別の人に頼めないか探ってみましょうか?
(参考文献)
「よくわかるアサーション 自分の気持ちの伝え方」平木典子著 主婦の友社(2012)https://amzn.to/3YJQAww



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