ピーターパン症候群とは
ピーターパン症候群(Peter Pan Syndrome)とは、年齢的には大人でありながら、大人としての責任や役割を引き受けることを避け、心理的に「子どものまま」でいようとする傾向を指す言葉です。
この概念は、心理療法士の ダン・カイリー が1983年に著書の中で提唱しました。
名前の由来は、成長することを拒み「永遠の子ども」であり続ける物語の主人公ピーター・パンです。
ただし、これは医学的な診断名ではなく、現代社会に見られる心理傾向を説明するための概念として使われています。
ピーターパン症候群は、一般的に男性に多くみられ、彼らは自由や楽しさを強く求める一方で、仕事・人間関係・将来設計といった現実的な責任から距離を取ろうとします。
その結果、「決断できない」「長期的な約束を避ける」「失敗を極端に恐れる」といった行動が見られることがあります。
なぜ大人になることを避けてしまうのか

ピーターパン症候群の背景には、大人になることへの不安や恐れがあります。
責任を負うことは、失敗や批判を引き受けることでもあります。
そのプレッシャーから身を守るため、「まだ本気を出していないだけ」「縛られたくない」という形で現実から距離を取るのです。
また、周囲が過度に助けてくれる環境も影響します。
失敗しても誰かが後始末をしてくれると、自分で選び、背負う経験が積み上がりません。
その結果、自立の感覚が育たないまま年齢だけが進むことになります。
重要なのは、これは「怠け」ではなく、不安への対処行動である点です。
本人にとっては、子どもでいることが最も安全な選択肢になっているのです。
ピーターパン症候群とどう向き合うか
ピーターパン症候群は、裏を返せば「柔軟さ」や「好奇心」「自由な発想」を持っているとも言えます。
問題は、それが現実との接点を失ったときに生じます。
向き合い方のポイントは、いきなり「大人になろう」とすることではありません。
まずは、小さな責任を自分で引き受ける経験を積むことが大切です。
期限を守る、決断を自分で下す、結果を自分のものとして受け止める。こうした一つ一つが、自信につながります。
本来、大人になるとは、自由を失うことではなく、選べる自由が増えることです。
責任を引き受けることでこそ、本当の意味での自由や安定が手に入る。
その視点を持つことが、ピーターパン症候群を乗り越える第一歩になります。



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