オズボーン効果とは
オズボーン効果(Osborne effect)とは、新製品が早すぎるタイミングで発表されることによって、消費者の買い控えを起こし、現行製品の販売不振を招いてしまうとした教訓のこと。
1983年にオズボーン・コンピュータ社が発表した新型コンピュータが、現在の製品よりも非常に高性能であったために、次世代機を待つための買い控えが発生してしまいました。
そしてこれをきっかけに、オズボーン社の売上が急落。数か月後に倒産してしまうという事態になってしまったという逸話から「早すぎる新製品発表が、現行製品の販売不振を招く」現象をオズボーン効果と呼ぶようになりました。
とは言え、新しい製品を作り続けるのが企業ってもんだからなぁ・・
新製品発表のタイミングはなかなか悩ましい問題なんだよね。
オズボーン効果のメカニズム
オズボーン効果は、以下の要因によって引き起こされます。
情報の過多
新製品の発表により、消費者は情報の過多に直面します。新製品の魅力的な特徴や利点が広告やメディアで繰り返し強調されるため、現行製品の魅力が相対的に低く見える可能性があります。
購買意欲の抑制
新製品への興奮が高まる一方で、消費者は既存製品の購買意欲を抑制することがあります。これは、新製品がより進化したものと感じられ、古い製品は時代遅れに感じられるためです。
不確実性
新製品の発表に伴って、消費者は新しい選択肢が登場することに対する不確実性を感じます。この不確実性は、現行製品の購買を一時的に遅らせる要因となります。
オズボーン効果からの回避策
これまで多くの企業は、オズボーン効果を回避するために様々な対策をしてきました。しかし、影響を軽減するに留まり、決定的な解決策というものには至っていません。
以下、企業が試みたいくつかの対策をご紹介します。
タイミングの調整
Apple社は新しいiPhone等の新製品の発表直後に販売を開始することで知られています。新製品の発表のタイミングをギリギリまで遅らせているわけです。現行製品が成熟期にある場合、新製品の発表を遅らせることで、買い控え現象を最小限に抑えることができます。
既存製品の強化
例えば、既存製品のサポート期間を延長する等、既存製品に特典や改良、新機能の追加を行うことで、競争力を保つことで買い控えを防ごうとする戦術です。消費者にとって、既存製品がまだ魅力的であると感じさせることが大切です。
既存製品の低価格化
新製品が発表されてから発売まで、既存製品の価格を下げることで買い控えが発生することを防ごうとする戦術です。既存製品の性能を許容できる消費者も存在するはずですが、必ずしも効果を上げるわけではないことが分かっています。
マーケティング戦略の調整
新製品と既存製品のマーケティング戦略を調整する対策です。新製品の発表をする際に、既存製品の強みを再確認し、消費者に伝えることが重要です。例えば、新製品が高性能な場合、既存製品はコスパの良さや信頼性などの特長を強調し、新製品と既存製品どちらが自分に合っているか消費者自身に理解させることが大事です。
オズボーン効果への対策を模索し続ける宿命
オズボーン効果は、新製品の発表タイミングが適切でない場合に、企業に悪影響を及ぼすリスクです。消費者の購買行動に影響を与える要因を理解し、適切な対策を講じることで、このリスクを低減させることができます。企業は競争の激しい市場で成功を収めるために、オズボーン効果への対策を模索するべきです。
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