ラベリング理論とは
ラベリング理論(Labeling theory)とは、社会からの落ちこぼれや犯罪者や異常者は、彼らのおかしな行動や考えから生まれるのではなく、周囲からレッテル貼りされることで生まれてしまうとした理論のこと。
おかしな行動のことを「逸脱行動」と言いますが、ラベリング理論では、社会のルールに違反する行為のことを「逸脱」とし、その行為をした人に「逸脱者」というレッテルを貼ります。
こうやってレッテルを貼られた人間は、社会で孤立してしまうことでさらなる逸脱を生み出します。
つまり、「あいつは不良だ」「あいつと関わるな」。そういうレッテルこそが非行少年や犯罪者を生み出すとした考え方のことです。
アメリカの社会学者であるハワード・ベッカーは、1963年の自身の著書でこう述べています。
社会集団は、これを犯せば逸脱となるような規則を設け、それを特定の人々に適用し、彼らにアウトサイダーのラベルを貼ることによって、逸脱を生みだすのである。
ハワード・ベッカー「完訳 アウトサイダーズ+ラベリング理論再考」より
ほんの出来心でやってしまった行為で、不良の烙印を押されてしまうのか。
そうやって社会から孤立していき、非行グループが居場所になっちゃうわけだ。
貼られたレッテル通りになってしまう
「あいつとは関わるな」「あいつは不良だ」というレッテルによって、どんどん社会から孤立してしまった結果、非行グループに自分の居場所を求め、ますます悪事に手を染めていってしまいます。
また、レッテルを貼られた個人は、社会からの評価に基づいて自分を評価してしまうことから、そのレッテル通りの行動をとってしまいがちです。
レッテルに縛られ、その行動が犯罪などの問題行動につながる可能性が高まるということです。
(参考文献)
ハワード S. ベッカー「完訳 アウトサイダーズ:ラベリング理論再考」, 村上 直之 訳 現代人文社 https://amzn.to/3tdC6ca
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