バランス理論

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バランス理論とは

バランス理論(Balance theory)とは、三者間の関係のバランスを保とうとする人間心理のこと。

このバランス理論で用いられる以下のような図を提唱者である心理学者のフリッツ・ハイダーの名を取って「ハイダーのP-O-Xモデル」と呼びます。

Pを自分、Oを他人、そしてXを認知の対象物とし、それぞれの2点を結ぶ関係性が好意的ならば+、否定的であれば-とします。そして3つの関係性を掛け合わせたものが+であればバランスの取れた関係性とし、-であればバランスが悪い関係性であるため、バランスを保つために認知に変化が起きるとした理論です。

法則うさぎ
法則うさぎ

イマイチ分かんない・・

イトケン
イトケン

それじゃ、具体的に見ていくよ♪

 

 

バランス理論の具体例

上の図は、自分とクラスメイトとサッカーをバランス理論で考えてみたものです。

・自分はサッカーが好き →
・自分はクラスメイトが好き →
・クラスメイトもサッカーが好き →

つまり、3者のバランスは、()×()×()=
掛け合わせて「」になるのでバランスが取れた関係性です。

 

では、次の場合はどうでしょうか。

・自分は友人が好き →
・自分はパリピが嫌い →
・友人もパリピが嫌い →

3者のバランスは、(()×()
掛け合わせて「」になるので、これもバランスが取れた関係性です。

 

最後にバランスが取れていない関係性の例をご紹介します。

・自分は友人が好き →
・自分はアイドルが好き →
・友人はアイドルが嫌い →

3者のバランスは、(()×()
掛け合わせて「」になるので、バランスが悪い関係性と言えます。

 

 

バランスが悪い関係性では、心変わりが起きやすい

バランス理論の考え方では、バランスが悪い関係性において心変わりが生じやすいと言われています。

つまり、3つの認知を掛け合わせてプラスになるように無意識に心が動いてしまうというものです。

例えば、先ほどの例のアイドルとの三者関係には、の3つの認知が存在します。この3つのどれか1つを変えることで、掛け合わせての状態を作ることができます。

友人はアイドルが嫌いなようですが、他人の考えを変えることは現実的に考えて困難です。

その場合、自分がアイドルを嫌いになるか、自分が友人を嫌いになるか、どちらかの変化が起きやすいとした考え方です。一般的に人間はバランスの良い関係性を作るために最もコストのかからない箇所の認知を変えてしまうと言われています。

人間は無意識に3者のバランスを取ろうとして、自らの認知すら変えてしまう。

 

 

企業がやらかした芸能人をバッサリ切る理由

CMに起用されていた芸能人が不倫報道などにより、CM降板になってしまうニュースもちらほら耳にします。また、出演していた映画自体が芸能人の不祥事でお蔵入りになってしまうこともあるようです。

CMに起用していた芸能人をあっさり切り捨ててしまう企業がSNSで炎上したり、映画のお蔵入りに「作品自体に罪はない」と憤慨するファンもいますが、これら企業の対応もバランス理論で説明ができます。

もともとCMは上記のようなバランスの取れた関係性で成り立っているものです。

新製品を売り出す際、新製品がどういうものなのか心配な気持ちを消費者は持ち合わせています。しかし芸能人の持ち合わせる好印象によって、多少の消費者の不安をかき消すことができます。

しかし、この芸能人がスキャンダルを起こしたとしたらどうでしょうか。

 

まず最初に、消費者はやらかした芸能人のことが嫌いになります。

すると、バランス悪い の三者の関係性が出来上がってしまうことになります。

もうそうなってしまうと、後は時間の問題です。

「不祥事を起こした芸能人がCMしている商品なんて買わない」
「やらかした芸能人と繋がっている企業が許せない」

今度はCMしていた商品や企業に、消費者の矛先が向かうことになります。

それを防ぐために企業が迅速にその芸能人との関係性を断ち切るというわけです。

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