アイゼンハワー・マトリクスとは
アイゼンハワー・マトリクス(アイゼンハワー・ボックス、The Eisenhower Matrix)とは、第34代アメリカ大統領ドワイト・D・アイゼンハワーが使用したとされる意思決定のツールで、特に複雑な問題に対処する際に役立つ方法の一つです。
1954年、ノースウエスタン大学での演説でアイゼンハワー大統領はこう述べています。
「緊急」のものは「重要」ではなく、「重要」なものは決して「緊急」ではない。
Dwight Eisenhower
つまり、最も急ぐべき用件が最も大事であることはめったにないとし、これらを分けて考えることを示した意思決定に関するマトリクスです。
このアイゼンハワー・マトリクスは、実際に軍事および政治の分野で使用したものですが、優先順位を明確にし効果的な計画を立てることに役立つことから、ビジネスや日常の生活にも適用されています。
アイゼンハワー・マトリクスの基本
重要度[低い] | 重量度[高い] | |
緊急性[高い] | ※1 誰かに任せる | ※2 すぐにやる |
緊急性[低い] | ※3 やらない | ※4 いつやるか決める |
※1「誰かに任せる」
緊急であり、重要でない(Urgent but Not Important)
このエリアに関しては、即座に対処が必要なものの、全体的な重要度は低い問題が含まれます。これらの課題は他の人に委任するか、最小限の対処で済ませることが求められます。
※2「すぐにやる」
緊急かつ重要(Urgent and Important)
この象限には、即座に対処すべきでかつ重要な問題が含まれます。急務かつ重要なタスクには直ちに取り組む必要があります。
※3「やらない」
緊急でなく、重要でない(Not Urgent and Not Important)
こちらはできるだけ避けるべきで、優先順位を下げても良い課題です。重要でない問題に時間を割くよりも、他の優先事項にリソースを集中させましょう。
※4「いつやるか決める」
緊急でないが重要(Not Urgent but Important)
この象限には、重要だが直ちに対処する必要がない問題が位置します。計画的に対処できるため、重要ながらも焦らず進められます。
アイゼンハワー・マトリクスを活用する
優先順位の設定
アイゼンハワー・マトリクスを使用して、タスクやプロジェクトを優先順位に基づいて整理しましょう。これによって、重要なものから順に対処することができます。
時間の効果的な管理
緊急で重要な課題に焦点を当て、計画的に進めることで、効果的な時間管理が可能です。緊急でないが重要な課題も見落とさずに進めましょう。
ストレスの軽減
緊急かつ重要な課題に対処することで、ストレスを軽減できます。計画的かつ効果的な対処ができれば、問題が緊急になる前に予防策を講じることも可能です。
全体の効率向上
アイゼンハワー・マトリクスを使用することで、全体の業務やプロジェクトの効率が向上します。重要なことに焦点を当て、時間を無駄にせずに進めることができます。
アイゼンハワー・マトリクスは、重要な意思決定をサポートする強力なツールであり、ビジネスや日常生活において効果的な時間管理やプロジェクトの進行に役立ちます。
四つの象限を活用して、優先順位を明確にし、重要な仕事に焦点を当てることで、より効果的な結果を生み出すことができます。
(参考文献)
ミカエル・クロゲラス、ローマン・チャペラー、フィリップ・アーンハート「人生を決断できるフレームワーク思考法」月沢李歌子訳、講談社(2016)https://amzn.to/3NEHls5
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