外集団同質性効果

他者/自己

外集団同質性効果とは

外集団同質性効果(Out-group homogeneity bias)とは、自分の属する集団のメンバーは互いに異なっていて多様であると感じる一方で、自分の属さない集団のメンバーをより同質的で似ていると認識してしまう現象のこと。

つまり、自分とは異なる他の集団の人々のことを「みんな同じようなものだ」と捉えがちで、彼らの間の個性や差異を見過ごしがちになってしまいます。

ここで、身近な2つの例を挙げてみましょう。

「若いアイドルがみんな同じ顔に見えてしまう」という経験はありませんか?
特に、その世界にあまり興味がない”おじさん”世代にとっては、この感覚はよくあることです。これは外集団同質性効果の典型的な例で、自分が所属していないグループの人々を一括りに見てしまい、彼らの個性や違いを認識しづらくなっているのです。

「最近の音楽が全部似たような曲に聞こえてしまう」ことはありませんか?
特に若い世代の音楽に対して、その区別がつかない場合、”おじさん”認定されるかもしれません。これも外集団同質性効果が引き起こしている可能性があります。自分の慣れ親しんだ音楽ジャンルとは異なるジャンルの曲たちが、一見同じように聞こえてしまうというわけです。

 

法則うさぎ
法則うさぎ

「おじさんあるある」だね!

イトケン
イトケン

自分とは違う集団だと意識した途端、違いが分からなくなるのだ。

 

 

 

外集団同質性効果のメカニズム

この外集団同質性効果は、社会カテゴリー化のプロセスによるものと考えられています。

人々は情報を効率的に処理するために、社会的世界を分類し、単純化する傾向があります。

このプロセスにより、自分たちのグループ(イングループ)には細かな差異を認識しやすくなる一方で、他のグループ(アウトグループ)に対しては、そのグループ内の個々の差異よりもグループ全体の共通点を強調して認識する傾向があります。

よって、外集団同質性効果はステレオタイプの形成や偏見の根源の一つとなることがあり、対人関係やグループ間の相互作用において誤解やイザコザの原因となることがあります。

 

 

多様性社会のヒントが「脱・おじさん化」にあった

では、この外集団同質性効果にどう対処すればいいのでしょうか?

まずは、他グループの人々や文化にもっと心を開いて、直接的な経験を積むことが大切です。

先ほどの例で言うならば、若いアイドルの曲を一曲だけでもいいのでじっくり聴いてみる。最新の音楽チャートをチェックして、いくつかの曲を試聴してみる。これらの小さなステップから始めてみると、アウトグループに対する認識が少しずつ変わってくるはずです。

外集団同質性効果を理解することは、単に「おじさん」から脱却するためだけではありません。

自分たちとは違う集団というのは、なにも「おじさんと若者」という世代間だけのことではなく、国の違い、文化の違い、人種の違い、性的指向の違いなど様々だからです。

外集団同質性効果を理解することは、私たちの社会がより寛容で、多様性を受け入れる場所になるための第一歩でもあります。

異なるグループの人々の間に立つ壁を取り払い、互いの違いを理解し、尊重すること。それが、今日私たちが一緒に考えたいメッセージです。

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