成功恐怖理論

セルフコントロール

成功恐怖理論とは

成功恐怖理論(Fear of success theory, Motive to avoid success)とは、人間は無意識に成功への恐れを抱いてしまい、自ら成功を回避してしまうとされる現象のこと。

この理論の提唱者であるアメリカの心理学者マティーナ・ホーナーは、成功によって生じる可能性のある否定的な結果や変化に対する恐怖が、人がチャンスを逃したり、自己実現の機会を避けたりしてしまうと指摘しています。

例1:昇進のチャンスを逃す
職場で昇進の機会が巡ってきた際、その役職がもたらす増加した責任やプレッシャーに対する恐怖から、自分から進んで昇進を辞退するか、または昇進に必要な行動を避ける人がいます。彼らは、成功することで生じる変化(勤務時間の増加、より複雑なタスク、人間関係の変化など)に対する恐怖を感じています。

例2:自分の作品を公開しない
芸術家や作家など、創造的な仕事をしている人々が、自分の作品やプロジェクトを公にすることを躊躇することがあります。彼らは作品が受けるかもしれない評価や批判、成功後に続く期待の高まりなどに対する不安から、作品を公開しない選択をすることがあります。

例3:イケメン男子からの告白を断る
告白を受け入れることによって生じる可能性のある変化や不確実性(恋愛関係の進展、感情的なリスク、他人からの羨望や期待など)に対する恐怖が原因で、実際には望むかもしれない関係を拒否してしまうことがあります。

 

法則うさぎ
法則うさぎ

成功を自ら回避する?意味わからん。

イトケン
イトケン

成功回避傾向の強い/弱いは人によって違うのさ。

 

 

成功回避傾向の強い/弱い

成功恐怖理論に基づくと、人々は成功回避の傾向に大きく差があることが観察されます。

これは、個々の経験、性格、環境など多くの要因に影響されます。成功回避傾向が強い人と弱い人の特徴について考察することで、この理論をさらに深く理解することができます。

成功回避傾向が強い人の特徴
(何かと言い訳を作り、行動が起こせない人)
・低い自己効力感
・強い完璧主義
・過去の失敗体験
・対人関係を気にする

成功回避傾向が弱い人の特徴
(あまり深く考えずに、物事を実行する人)
・高い自己効力感
・適度なリスク受容度
・失敗体験をポジティブに捉える
・対人関係の柔軟性

 

 

成功恐怖を克服する方法

成功恐怖は多くの人に共通する問題ですが、意識的に向き合い、克服する努力をすることで、自分自身の可能性を最大限に引き出すことができます。

まず、成功恐怖の主な原因としては以下の4つが挙げられます。

1.責任の増大
2.期待の高まり
3.人間関係の変化
4.アイデンティティの変化

そして、これらにより「自分自身でコントロールできない状況」になることを恐怖と感じます。

それを踏まえて、成功恐怖を克服する方法を4つ挙げるとすると、

目標設定を小さく始める
小さな成功を積み重ねることで、徐々に自信をつけ、大きな成功への恐怖を減らしていきます。

自己受容を深める
自己の価値を成功や失敗に結びつけないことが重要です。自分自身を条件なしで受け入れ、内面からの強さを育てます。

サポートを利用する
信頼できる友人やメンターとの関係を築き、恐怖や不安を共有することで、心理的なサポートを得ます。

失敗を学びの機会と捉える
失敗を避けるのではなく、成長と学びの機会として捉えることで、成功への恐怖を軽減します。

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