アンガーマネジメント

セルフコントロール

アンガーマネジメントとは

アンガーマネジメント(Anger management)とは、怒りの感情を適切に認識し、コントロールするための心理療法プログラムのこと。

怒りやイライラは、誰にでも起こりうる感情であり、適切に処理されない場合、人間関係や健康に悪影響を及ぼすことがあります。

アンガーマネジメントは、怒りを抑制するのではなく、怒りを健康的に処理し、ポジティブな方法で感情を表現することを目的としています。

 

法則うさぎ
法則うさぎ

イライラしてると、ついつい怒っちゃうんだよね・・反省。

イトケン
イトケン

怒りって、単なる人間の感情なので悪いこととは限らないけどね♪

 

 

怒りの感情は広がっていく

怒りは、誰にでも生まれる感情です。人間の自然な感情なので、それ自体に良い悪いはありません。

しかし、過度な怒りや不適切な怒りは人間関係に問題を引き起こす可能性があります。

特に自分の身近な相手には、強い怒りの感情が出てしまうことがあり、その怒りの感情の発散のために人間関係を壊してしまったり、時に犯罪を犯してしまう人もいます。

正しく怒りの感情を理解し、怒るべき場面ではちゃんと怒り、怒らなくていいような場面ではいちいち怒らない。

そうして、怒りの感情と上手に付き合っていこうというのがアンガーマネジメントです。

 

 

他の感情の裏返しが「怒り」である

そもそも怒りの感情には、それとは別の感情が存在します。

つまり、私たちの怒りの感情は何か別の感情を変換した2次感情と言えます。

 

そして、怒りの感情の元になっている1次感情すら、結局は人それぞれの先入観や思い込みであることが少なくありません。

例えば「分かってほしい!」っていう1次感情の場合「社会人ならこれくらい分かってくれるだろう!」「フツーこれくらい分かるべき!」という、その人固有の価値観や固定観念が存在します。

価値観や固定観念・先入観は、人によって多少なり違うので「社会人ならこれくらい分かるべき!」というのは自分の価値観を相手に抑え付けていることになります。

相手の価値観を理解する、人それぞれ考えは違う。そう理解すれば、割と怒らなくていいことは怒らなくて済むようです。

 

 

時には怒らなくちゃいけないこともある

しかし、自分の価値観と相手の価値観がズレまくっている時は、そのせいでこちらが不利益を被ることがあります。

いくらそれが相手の先入観や思い込みであっても、「貸したお金を返してくれない」「フツーに浮気する」など、こちらが被害を受けてしまう場合こそ怒っていいタイミングです。

なぜここで、怒るタイミングのことについて触れるのかというと、本当に怒るべき時ではない時にやたら怒りの感情を増幅させている人が多いからです。

アンガーマネジメントでは、3つの範囲を意識する考え方が推奨されています。

1.自分の価値観
自分自身の価値観のこと。

2.許容できる価値観
自分の価値観ではないが、まぁ許せる程度の他者の価値観のこと。

3.許容できない価値観
自分は絶対に許せない他者の価値観のこと。


上記でご説明した、他人の価値観を理解したり、思い込みや先入観を考慮することは、この「2.許容できる価値観」の範囲を広げていることになります。

そしてこの3つの範囲で「2.許容できる価値観」と「3.許容できない価値観」の間の境界線が「怒るべきかどうか」の境界線です。

しかし、自分の感情がコントロールできない人、ついつい怒ってしまう人というのは、この境界線の内側、「2.許容できる価値観」の中だったり、時には「1.自分の価値観」の中の出来事にさえ、感情を荒らげてしまいます。ちっとも怒るべきではないことに、ムダにイライラし、精神的に消耗してしまうわけです。

これは怒るべき場面なのか、それとも相手の価値観を尊重する場面なのか、この3つの範囲を常に意識するのがアンガーマネジメントの基本とされています。

 

 

人間の怒りのピークは6秒

怒りの感情はとても強い感情なので、ついついカッとしてしまう人も多いのではないでしょうか。

それでも人間の怒りの感情は最初の6秒間がピークであると言われています。

相手にムカつくことを言われて頭に血が昇っても、まずは6秒間だけガマンしてみましょう。6秒を経過すれば、よい客観的かつ冷静に物事を捉えることができるはずです。

 

突発的な怒りに対処する方法

スケールテクニック
心の中で怒りを数値化する。
カウントバック
心の中で7ずつ引き算する。
マントラ
決まった口癖で自分を言い聞かせる。
ストップシンキング
意図的に頭の中を真っ白にする。
タイムアウト
一旦その場を離れる
グラウンディング
じっくり壁のシミを数える
呼吸リラクゼーション
深呼吸をする。

 

 

アンガーマネジメントの重要性

アンガーマネジメントは、以下の点で重要です。

健康な人間関係の維持
怒りが適切に処理されない場合、友人、家族、同僚などとの関係に悪影響を及ぼす可能性があります。アンガーマネジメントは、コミュニケーションスキルを向上させ、対人関係を改善します。

身体的健康への影響
過剰な怒りは、心臓病、高血圧、ストレス、不眠症などの身体的健康に悪影響を及ぼすことがあります。アンガーマネジメントを通じて、身体的健康をサポートできます。

問題解決能力の向上
怒りを適切に管理することで、問題を冷静に分析し、建設的な方法で解決策を見つける能力が向上します。

 

 

アンガーマネジメントの基本ステップ

アンガーマネジメントを実践するためには、以下のステップを考えてみましょう。
上記でご紹介したように、怒りの本質を理解し、いかに自分を客観視できるかが重要になってきます。

1.怒りの認識
怒りが高まる前に、怒りの兆候を認識しましょう。心拍数の上昇、イライラ、筋肉の緊張などが示唆する兆候です。

2.深呼吸とリラクゼーション
怒りが高まったとき、深呼吸やリラクゼーション技巧を使って冷静になることを試みましょう。

3.感情の表現
怒りを抑えずに、建設的な方法で表現しましょう。適切な言葉を使って、感情を伝えることが大切です。

4.問題解決
怒りが収まったら、問題解決に集中しましょう。感情が高まっているときには冷静な判断が難しいため、一度感情を落ち着かせてから問題に取り組むことが重要です。

(参考文献)
日本アンガーマネジメント協会「アンガーマネジメント手帳」ミネルヴァ書房, (2021) https://amzn.to/46Wv8WI

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