シェイプ・オブ・ストーリー

アイデア

シェイプ・オブ・ストーリーとは

シェイプ・オブ・ストーリー(The Shape of Stories)とは、物語内の登場人物の幸福度の変化を時間軸に沿ってグラフ化したもので、Y軸は「幸福度」を、X軸は「時間」を表します。

アメリカの小説家カート・ヴォネガットは、この単純なグラフを使って、世の中に存在する様々な物語には典型的なパターンがあることを示しました。

 

法則うさぎ
法則うさぎ

たしかに、なんか似たような物語だなーって感じることはあるよ。

イトケン
イトケン

全部で8パターンあるんだって♪

 

 

世の中の物語8パターン

マンインホール型
物語の主人公が困難に遭遇し、そこから這い上がって最終的には元の状態よりも良い状態になるパターン。(例:幸福の条件)

ボーイミーツガール型
主人公が何か望ましいものを見つけ、一旦それを失い、それでも最終的にはそれを取り戻すパターン。(例:魔女の宅急便)

シンデレラ型
序盤は不幸な状態から始まり、幸運と不運が交互に繰り返しながら幸福度が最高潮になったところで不幸のどん底に。でも結末は永遠の幸せを手に入れるパターン。(例:シンデレラ)

フロム・バッド・トゥ・ワース型(カフカ型)
物語の開始時点で既に悪い状態にある主人公が、さらに悪化する過程を描くパターン。避けられない運命や人間の破滅的な欲望をテーマにした作品に多い。(例:変身/フランツ・カフカ)

上記の4つに加えて、米バーモント大学アンドリュー・レーガン研究員のチームが、なんと1700以上の物語を分析してパターン化に成功。さらに以下4つのパターンが加わりました。

継続上昇型
不幸な主人公がだんだんと成功を収めて行って、最後はめでたしめでたしで終わるパターン。いわゆるサクセスストーリーもの。(例:賭博黙示録カイジ)

継続下降型
そこそこ幸せな主人公が物語が進むにつれてどんどん不幸になっていく。いわゆるメシウマ心理を利用した転落劇のこと。(例:笑ゥせぇるすまん)

イカロス型
主人公は不幸と絶望から立ち上がり一旦幸せになるが、結局元の不幸な状態に戻りエンディングを迎えるパターン。(例:ロミオとジュリエット)

オイディプス型
幸せだった主人公はトラブルに巻き込まれ不幸な状態に。しかしそれも無事解決して幸せになったかと思いきや、一転不幸なエンディングを迎えるパターン。(例:オイディプス王)

 

 

物語はなぜ素晴らしいか

カート・ヴォネガットの「シェイプ・オブ・ストーリー」は、物語がどのように構築されるかを理解するための貴重な理論です。これらのパターンを学ぶことで、作家や脚本家はより魅力的で感情に訴える物語を創造することができるようになります。

しかし、この理論の応用は文学や映画の世界に留まりません。私たちの日常生活やビジネスの場面でも、これらのパターンから学べる教訓があります。

例えば、「マン・イン・ホール」の物語形式は、困難や失敗が最終的には成長や成功に繋がることを示しています。この物語から学ぶべきは、挑戦や障害があるたびに、それが成長へのステップであると捉えることの重要性です。

同様に、「ボーイ・ミーツ・ガール」では、失ったものを取り戻す努力の価値が強調されます。これは私たちが価値あるもの—関係性、目標、夢—を失ったときに、あきらめずにそれを取り戻す努力が報われることがあるというメッセージです。

また、「シンデレラ」パターンからは、どんなに困難な状況でも希望を失わないことの大切さが学べます。

そして、「フロム・バッド・トゥ・ワース」は、時には状況が思い通りに進まないことを受け入れ、それでも前向きに進む力が必要であることを教えてくれます。

このように、物語の形は私たちの生活にも深く関連していて、日常生活で直面するさまざまな状況を乗り越えるヒントを与えてくれます。

物語を通じて、人間の普遍的な経験に光を当て、私たち自身の人生の物語をより豊かにする方法を見つけることができるのです。

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