アポフェニア

認知

アポフェニアとは

アポフェニア(Apophenia)とは、無作為・無意味な情報から規則性や関連性を見出してしまう知覚作用のこと。私たちの脳が偶然の関連性やパターンを見つけ出そうとする傾向を指す心理現象です。

1958年にドイツ人の心理学者クラウス・コンラッドが自身の著書「統合失調症の始まり」の中で作り出した造語です。

 

法則うさぎ
法則うさぎ

偶然に理由を見出そうとする。人間って大変だね・・

イトケン
イトケン

ほっとけよ!!

 

 

「意味がない」に耐えられない

アポフェニアは私たちの脳が情報を整理し、理解しやすくしようとする自然な傾向の一部ですが、時には誤った結論や認識の歪みを引き起こすこともあります。

(アポフェニアの例1)

サンフランシスコ大地震
10月17日
1+17=18

ロサンゼルス大地震
1月17日
1+17=18

阪神淡路大震災
1月17日
1+17=18

パキスタン大地震
10月8日
10+8=18

中国青海省大地震
4月14日
4+14=18

東日本大地震
2011年3月11日
2+0+1+1+3+11=18

お分かりいただけただろうか・・・

(アポフェニアの例2)

ボーイング777型マレーシア航空17便が、
2014年7月17日にウクライナ上空で撃墜された。
なお、この同型機が初飛行を行ったのは
17年前の19977月17日である。

お分かりいただけただろうか・・・

最初の地震の逸話は、地震の発生に18という数字が関係しているんじゃないかと考えてしまうもので、マレーシア航空のほうは、墜落機と7という数字には何か因縁があるんじゃないかと考えてしまうもの。

もちろんどちらも偶然です。・・こじつけに近いとも言えます。
なんで東日本大震災だけ西暦なのか?とか、なんで急に初飛行の話になるのか?冷静に考えるととても不自然です。都市伝説って、こうやって生まれるんだな・・と逆に感慨深くなってしまいます。

数字ばかりではありません。雲の形が動物や食べ物に見えたり、ホラー映画を見た後にやたら光や物音に敏感になり不安を感じたり、洋楽の曲なのに空耳で日本語のメッセージが聞こえてしまうのもアポフェニアの影響です。

人間の脳は本能的に分からない物事を嫌います。
それは、分からない物事にはどう対処すべきなのか判断できないからです。

5 6 9 1
3 5 2 8

こんな意味のない数字の並びがあると、これは何の並びなのか?次に何の数字が来るのか?人間は対処できません。そのため、無理やり語呂合わせをしたり、こじつけでどこかから関連性を引っ張りだしてきたり、とにかく分からない空白を勝手に埋めようとします。

 

 

アポフェニアに注意すべきポイント

コロナ禍では、様々な陰謀論や都市伝説が生まれました。

これらはウィルスという突然の脅威に、どうしていいか分からない・なんでこんな不自由な目に遭っているのか分からないという空白があったために生まれたものです。そこに不安という要素が重なり、あっという間に世に拡散されました。

アポフェニアは私たちの脳の自然な傾向の一部であり、偶然の関連性やパターンを見つけようとする心理現象です。しかし、誤った結論やバイアスの影響に注意し、クリティカルシンキングを大切にすることが重要です。

(参考文献)
Openness/Intellect and Susceptibility to Pseudo-Profound Bullshit: A Replication and Extension,Timothy F. Bainbridge, Joshua A. Quinlan, Raymond A. Mar, Luke D. Smillie (2018)

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