プルキニェ現象とは
プルキニェ現象(Purkinje Phenomenon もしくはプルキンエ現象)とは、明るさによって、同じものを見ても色彩が異なって見える現象のこと。
チェコの生理学者ヤン・エヴァンゲリスタ・プルキニェが解明したことから名付けられました。
人間は色を網膜の視細胞で感知していますが、周りの明るさによって見え方が変わります。
周りが暗くなればなるほど、人間の目には青が鮮やかにみえます。
明るい場所
赤が鮮やかに遠くまで見え、青は黒ずんで見える。
暗い場所
青が鮮やかに遠くまで見え、赤は黒ずんで見える。
上の写真を見ても、明るい場所では赤い花が鮮やかに見えますが、暗い場所では緑の葉が鮮やかに見えます。
昼間は公園の花が鮮やかに見えたのに、日が落ちると急に葉のほうが鮮明に見えるので、なんだか不気味に感じたりした経験がある人も多いんじゃないでしょうか。
そう言えば、道路標識や非常灯も青や青緑ですよね。プルキニェ現象を利用して、暗いところでもハッキリ見えるようにしているわけです。
薄暗くて良いムードのBARだと、青いドレスの女性が鮮やかに見えるってわけね。
いつの間に、そんなところに通うようになったんだよ!
青色の街灯に変えて犯罪が減った?
2005年、「オレンジ色の街灯を青色に替えたら犯罪が激減した」というイギリス・グラスゴーの犯罪対策を特集するテレビ番組がありました。
番組では、暗い夜でも遠くまで鮮やかに周囲を照らすことができる青色のおかげで犯罪が激減したというまとめ方をしていましたが、実はまだハッキリしていません。
確かにグラスゴーの犯罪は減少しました。
ただ、青い色の街灯に変えることで、静脈が見辛くなったために薬物中毒者が屋外で注射を打たなくなっただけという説もあれば、青に染まった美しい街の景観によって割れ窓理論が発動し、犯罪抑制に繋がったとする説もあります。(実際、グラスゴー市は街の景観のために青色街灯に変えています)
日本でも、奈良県を皮切りにグラスゴーの青色街灯を真似るケースが相次ぎ、一定の効果があったとされています。しかし、これも青色街灯により市民に防犯意識が芽生えたため効果が見られたのではないかと言われており、プルキニェ現象が直接犯罪抑制に作用したかはよく分かっていません。
(参考文献)
小宮信夫「犯罪は予測できる」新潮社(2013)
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