ノミナル・グループ技法とは
ノミナル・グループ技法(Nominal group technique:NGT)とは、ブレインストーミングに投票要素を組み込むことで、客観的にアイデアを分類したり優先順位をつけるテクニックのこと。
とにかくどんどんアイデアを出していくブレストの性質上、出てきたアイデアがとっ散らかってることがよくあります。そこで、投票要素を組み込むことでアイデアに点数が与えられるため、客観的に考えることができるとしたものです。これにより、最も支持されるアイデアが明確になり、議論を進めることができます。
1970年代にミネソタ大学カールソン経営大学院名誉教授のアンドリュー・H・バン・デ・ヴェンらによって開発された手法です。
アイデアに点数を付けるってところが、なんかいいね!
数字にすると、優先順位が見えてきたり、客観的にアイデアを評価できるぞ。
ノミナル・グループ技法のメリット
ノミナル・グループ技法を用いることで、ブレインストーミングプロセスに以下のようなメリットが生まれます。
客観性の向上
自己陶酔や個人の意見に偏ることなく、客観的な評価が可能です。
効果的なアイデアの特定
最も支持されるアイデアが明らかになり、重要なアイデアにフォーカスできます。
他者アイデアへの積極的参加
他者のアイデアを「評価する」ことで、自分以外の考えにも積極的に関与できます。
ノミナル・グループ技法の使い方
ノミナル・グループ技法の手順は以下の通りです。
1.アイデアの収集
参加者からアイデアを収集する。
(通常のブレインストーミング)
2.アイデアへの投票
参加者全員が持つ1点~4点の4枚のカードを使い、それぞれのアイデアに点数を与えていく。
3.アイデアの集計
投票結果を集計し、最も支持されたアイデアを特定する。
4.議論と絞り込み
最も支持されたアイデアについて議論を深め、必要に応じてアイデアを絞り込んだり優先順位を付ける。
全員で決めることの重要性
アイデアを絞り込むことが難しい場面にはこのノミナル・グループ技法を使うことで、より効果的な意思決定とアイデアの分類が可能になります。
なお、「ノミナル」というのは、「名目上の」という意味ですが、参加者全員がアイデアの絞り込みに関与できることから皆のコンセンサスが得られるため、それ以上の意味合いを持つ重要な手法だと言えます。
(参考文献)
A Guide to the Project Management Body of Knowledge, Project Management Institute
コメント