同伴者効果

印象

同伴者効果とは

同伴者効果(Radiating beauty)とは、容姿の優れた人と一緒にいると、自分の外見に対する評価が引き上げられる現象のこと。

1973年にメリーランド大学のハロルド・シガールとデイビッド・ランディが女性の魅力度の調査を行いました。その調査の結果、「女性の魅力が一緒にいる男性に波及する」と発表しました。

 

法則うさぎ
法則うさぎ

きれいな女性と並んで立つことが「公開処刑」になるわけじゃないんだね。

イトケン
イトケン

むしろ、きれいな女性と並んで立ったほうが得するっていうことだ。

 

 

アイドルグループに1人だけ地味な子

キラキラ輝くアイドルグループの中に1人だけ地味な子が混じっていたとしても、周りの魅力的なメンバーのおかげで、彼女のことも多少は輝いて見えます。

また、イケメングループに1人だけ微妙な男性がいたとしても、周りのイケメンたちと同じように仲間内で振る舞う彼のことを素敵な存在に思えてしまいます。

この地味な子や微妙な男性が、それらの魅力的なグループではなく、いまいちパッとしない冴えないグループに所属している姿を想像してみましょう。やはり、魅力的なグループに所属しているほうが彼らが輝いて見えるはずです。

なお、アメリカの心理学者デイビッド・ギヴンズは、1人でいるより誰かといたほうが人間の魅力度が向上すると述べています。それは、誰かと一緒にいると1人でいるよりも、どうしても表情豊かになってしまうからです。

つまり、地味な子や微妙な男性は、少なくとも誰かと一緒にいたほうがマシにみえるということです。そして、冴えないグループよりも、魅力的なグループに所属しているほうが、より魅力的に見えるわけです。

・誰かと一緒にいることで魅力が向上する。
・どうせ一緒にいるなら魅力的なグループに所属すべき。

 

 

同伴者効果はなぜ起きる?

それではなぜ、このような現象が発生するのでしょうか。以下が原因として考えられます。

同じレベルの人同士がくっつくという誤解
類は友を呼ぶという言葉もありますが、こんなに素敵な人といっしょにいるんだから、この人も素敵に違いないと感じてしまうことが原因の1つとして考えられます。これは、自分がどう判断するかを決める際に、自分以外の周りがどのような判断をしているかを参考にする社会的証明という心理傾向が働いています。

脳が物事の判定を省略している
人間の脳は、見たもの・触れたものを、それがどんなものなのか瞬時に判定するために、結構あまりよく考えずに結論を出すことがあります。「人気アイドルだからキラキラ輝いた子で構成されているだろう、たしかにかわいい子が所属しているな・・」と全メンバーの外見をチェックしたわけでもないのに、全員かわいい子であると思い込みをしてしまうわけです。

環境が自信を与えている
周りがキラキラ輝く子ばかりであることで、自然と自分の美意識が高まり外見が磨かれるだけでなく、自分が置かれた環境によって自信に満ち溢れ、魅力が増していることが考えられます。特に自信に満ちた笑顔は人を惹きつけるものがあります。

ネットワークの利益
魅力的な人との関係は、ネットワークの利益ももたらします。彼らのつながりを通じて、新しい機会や情報にアクセスしやすくなり、自己成長やキャリアの発展に寄与します。

 

 

同伴者効果を活用する

例えば、仕事ができる仲間と一緒にいることで、自分も仕事ができる人間であることを周囲にアピールすることができます。

また、よく笑いよく喋る友達と一緒にいることで、社交性がある人間であることを周りにアピールすることもできます。

無理な自己アピールしたり、決して背伸びしなくても、テクニックひとつで相手に与える印象は随分変わるわけです。

(参考文献)
Sigall, H. & Landy, D. 「Radiating beauty: Effects of having a physically attractive partner on person perception」 Journal of Personality and Social Psychology, 28 (1973)

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