ベビーフェイス効果

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ベビーフェイス効果とは

ベビーフェイス効果(Baby-Face Effect)とは、幼い特徴を持つ顔(例えば、大きな目、丸い顔、小さな鼻など)を見ると、私たちはその人物に対して無意識のうちに肯定的な特性(無邪気、優しさ、信頼性など)を感じてしまう心理学的な現象を指します。

この効果は、人々が幼い顔立ちの人物を無意識のうちに「守るべき対象」と見なし、その結果、ポジティブな特性を感じさせると考えられています。

この現象の背後には、人間の進化上の本能が関係していると考えられます。

幼い生き物を保護しようとする本能は、種の生存に不可欠であり、この保護欲求が幼い特徴を持つ人間にも拡張されることで、ベビーフェイス効果が生まれます。

つまり、私たちの脳は、幼い特徴を見ると、その人物や生き物を無意識のうちに守りたいと感じるのです。

ベビーフェイス効果の考え方の基礎になったものが、ドイツの動物行動学者でノーベル生理学・医学賞を受賞したコンラート・ローレンツが提唱したベビー・スキーマ (Baby schema)です。

このベビースキーマでは、幼い動物が持つ7つの身体的特徴のことで、これを見た人間は「かわいい」という感情を抱きます。

 

法則うさぎ
法則うさぎ

人気キャラクター?かわい子ぶっちゃってさ!

イトケン
イトケン

(あ・・対抗心で血が騒いでらっしゃる・・)

 

 

「かわいい」の7要素とは

ベビーフェイㇲ効果の基礎となったベビースキーマは、「かわいい」を連想させる7つの要素として知られており、本能的な保護欲求から来ていると考えられます。

人間や動物に限らず、世界的に有名なピカチュウやハローキティなど人気のキャラクターはこの7つの要素を満たしていることが多く、ウケるキャラクターの重要な要素とも言われています。

 

 

ベビーフェイス効果の社会的影響

キャラクターではなく人間の話に戻ると、ベビーフェイス効果は、ビジネス、政治、リーダーシップ選択、さらには裁判の判決に至るまで、多岐にわたる社会的文脈で影響を及ぼすと言われています。

例えば、顧客サービスや公共のイメージを重視する職業では、ベビーフェイスの人物が好まれる傾向があります。

逆に、権威や力強さを求められる役割では、ベビーフェイス効果がネガティブに作用する場合もあります。

このようにベビーフェイス効果は、私たちの心理に深く根ざした現象であり、日々の対人関係や社会生活において重要な役割を果たしています。

この不思議な力を理解することで、人々とのコミュニケーションや自己認識について、新たな洞察を得ることができるでしょう。

次に誰かの顔を見たときは、その顔があなたにどのような感情を抱かせるか、少し注意深く観察してみるのも面白いかもしれませんね。

(参考文献)
髙木健一, 小巻亜矢「Kawaii経営戦略 幸福学×心理学×脳科学で市場を創造する」日経BP 日本経済新聞出版 (2022) https://amzn.to/3T3fZOo

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