キーザーのコミュニケーション実験

他者/自己

キーザーのコミュニケーション実験とは

キーザーのコミュニケーション実験(Keysar’s communication studies)とは、話し手と聞き手の間に存在する意思疎通のギャップを示した実験のこと。

シカゴ大学の心理学者ボアス・キーザーが進めた実験は以下の通りです。

【実験内容】
・実験参加者を話し手と聞き手に分ける。
・話し手はお題となる文章を読み上げ、聞き手はそれを傾聴する。

・その後、以下の質問をぶつけます。

話し手への質問
「話の内容を相手はどれくらい理解したと思いますか?」
聞き手への質問

「あなたは話の内容をどれくらい理解しましたか?」

結果は以下の通りです。

話し手は、72%の内容が相手に伝わったと感じたが
聞き手は、61%の内容しか理解できなかったと感じた。

つまり、話し手と聞き手のコミュニケーションにおいて、11%の理解度の違いが存在するということになりました。

これは、なにか物事を伝えるときに「相手に伝わっただろう」と話し手は感じても、実際には思ったほど聞き手に伝わっていないことを示します。

 

法則うさぎ
法則うさぎ

自分が思ってる以上に、話の内容って相手に伝わらないんだね。

イトケン
イトケン

“言った/言わない”で揉める原因がこれだよ♪

 

 

伝えることの難しさ

これは私たちの日常生活や、仕事の中で物事を他者に伝えることの難しさを表しています。

「伝えた」「伝わった」に11%のギャップがあることも驚きですが、そもそも伝達した内容は60%ほどしか相手に伝わらないということも衝撃的です。

私たちは、言った/言わないというコミュニケーションのエラーに度々遭遇します。また、こちらが伝えたはずのことを相手が理解してくれないと、イライラしたり、時に相手の人格を疑ってしまうこともあります。

コミュニケーションなんて、60%程度しか伝わらず、伝わったかどうかの認識に11%のギャップが存在する。そんな不完全な性質を理解することが重要です。

一般的に、対人コミュニケーションにおいて、正しく内容を伝えたかどうかというのは伝える側の責任とされます。

あまりコミュニケーションの伝達性を過信せず、「本当に伝わったかな?」念をおして相手に確認したり、文書化したりすることでコミュニケーションエラーを減らしていく努力が必要です。


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