やさしさの味とは?
「やさしさの味」(The Taste of Kindness)とは、食べ物を提供してくる相手のやさしさを感じると、その食べ物をおいしく感じてしまう現象のこと。ノースカリフォルニア大学チャペルヒル校のカート・グレイ教授が提唱しました。
いわゆる「おふくろの味」も、この現象の影響を受けていると言われています。
食べ慣れた味だから「我が家のカレーが一番おいしい!」と感じてしまいますが、あなたのために頑張ってカレーを作ってくれる家族の気持ちを感じとったからこそ、そのように感じてしまうという説です。
料理を作ってくれた人の心情を察知すると、美味しく感じるなんて不思議だなー!
道の駅とかで売ってる「私が作りました」野菜も同じかも。
食べ物に限った話でもない。
ノースカリフォルニア大学のカート・グレイ教授は、相手にお菓子をプレゼントするときに、受け取った側の心理状態を調べる実験をしました。
Aチームの人は「適当に選んだお菓子です」というメッセージカードを添えて、相手にお菓子を渡す。一方、Bチームの人は「あなたのために選んだお菓子です」というメッセージカードを添えて、相手にお菓子を渡しました。
結果として、相手のやさしさを感じとったBチームの受け取り手は、Aチームよりもお菓子を美味しいと感じとることが分かりました。
グレイ教授は、やさしさや食べ物に限らず、相手の意図を感じると、受け取り手の体験そのものが変化すると結論付けています。
例えば、他人にただビンタされる場合と、悪口を言われながらビンタされた場合、悪口を言われながらビンタされた場合のほうが、人間は強い痛みを感じてしまうということ。
確かに他人から悪口を言われるとメンタル的にショックを受けてしまいそうですが、グレイ教授によると体感する痛みも増しているとのことです。
相手に対するポジティブな姿勢は積極的に見せていく。
自分のことで精一杯で、他人に対して意外とそっけない態度をとってしまうなんてことはありませんか?
やさしさの味は、やさしさを相手にみせておくことで、本来関係ないはずのお菓子の評価を向上させています。
同じように、相手に対してポジティブな姿勢をみせることで、あなたにとって思わぬアドバンテージが生まれるかもしれません。
デキるヤツっていうのは、そうやって物事を円滑に進めているんですね。
ぜひご参考にどうそ。
(参考文献)
Gray, k. 「The Power of Good Intentions: Perceived Benevolence Soothes Pain, Increases Pleasure, and Improves Taste」Social Psychological and Personality Science (2012)
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