自己開示

印象

自己開示とは

自己開示(Self-disclosure)とは、他人に自分自身に関する情報をありのままに伝えることです。人間がお互いに信頼関係を築いていく上で重要な要素であると言われています。

例えば、他人に自分の出身地のことや自分の趣味を伝えることで、初対面でも相手の警戒心を和らげることができます。

1971年、心理学者のシドニー・ジュラードが提唱しました。

 

法則うさぎ
法則うさぎ

仲良くなるコツってことね。

イトケン
イトケン

利害関係・損得勘定を考えずに「ありのままの自分」を伝えるのがコツだよ。

 

 

「よく知らない人」のままでは損をする?

私たち人間は、よく知らない相手に対して無意識に敵対心を抱いてしまいます。それは、未知の存在に対しての防衛本能のようなもので、自分の身を守るために備わっています。

隣のクラスの知らない人のことを「なんだよアイツ・・」って思ったり、通勤電車で世間話が盛り上がっている人たちの会話を「つまんない話してるな・・」って感じたり、他部署のちょっとしたミスに目くじらを立てたり。

自分が相手にとって「よく知らない存在」であることは、見に覚えがなくても敵対心を抱かれてしまう可能性があるので、あまり望ましい状態とは言えません。

ならば、相手に自分のことを知ってもらおうというのが、この自己開示です、

 

 

信頼関係を狙って作る

自分の趣味や、休日の過ごし方。
そういうものは、信頼関係があれば自然とお互いに知り得る情報になるのではないか、だから積極的に伝える必要がないのではないかと思われる方も多いと思います。

しかし自己開示は、意図的にそれらを伝えることで、いわば信頼関係が構築されている関係だと相手に錯覚させる手法です。つまり、相手に心を開いてもらうためのテクニックというわけです。

そして、この自己開示には返報性が期待されます。相手が自分のことを話してくれたから、自分も何か私的なことを話さなくてはいけないという「お返し」の意識が芽生え、それが循環することで、どんどんよい関係になっていくということです。

Aさん「こないだ田舎に帰省しまして・・」

Bさん「そうなんですか。ご出身はどちらですか?」

Aさん「静岡なんです。」

Bさん「サッカー王国ですね!僕は高校までサッカーやってたので、何度か遠征したことがあります。」

 

 

自己開示のポイント

相手と同じ情報量・情報強度を心がける
「実は先週離婚しまして・・」なんてヘビーな自己開示されると困ってしまいます。あくまで相手の反応を見ながら、相手が自己開示したのと同じ情報量、情報強度でこちらも自己開示しましょう。

どうでもいい話でも構わない
仕事に関係の無い些細な話でも構いません。むしろ、そういう小さくてしょうもない話でも気軽に話し会える信頼関係であることがプラスに働くことがあります。

弱みや苦手なことを伝える
自分にとって都合のいいエピソードだけではなく、失敗談や苦手なことを自己開示することで、より相手からの信頼を獲得できる場合があります。お互いの関係性を損得勘定せず、表裏なくありのままの気持ちを伝えることが大事です。

(参考文献)
V.J.ダーレガ「人が心を開くとき・閉ざすとき―自己開示の心理学」(1999)

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