ブーメラン効果(心理学)

意思決定

ブーメラン効果とは

ブーメラン効果(Boomerang effect)とは、こちらが相手に何かを説得した時に、説得した内容とは反対の信念や行動を相手が強めてしまう現象のこと。つまり、逆効果を招くことがあるということです。

こちらの説得した方向とは真逆の反応を相手がとってしまうことから、投げた方向から逆に戻ってくるブーメランに例えられてこのように呼ばれています。

例えば、ある人が喫煙をやめるように説得されたとき、その人が喫煙量を増やしてしまうような現象を指します。

1953年にアメリカの社会心理学者ハロルド・ケリー、カール・ホブランドらが発表しました。

 

法則うさぎ
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子供に「勉強しなさい!」って注意すると・・

イトケン
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人間の心は自由でいたいと感じる

なぜ、ブーメラン効果が発動するのでしょうか。以下を考えてみました。

反発心理
他人からの説得や批判に対して、反発心理が働くことがあります。人々は自分の意志を尊重されることを望むため、逆に逆らうことがあります。
つまり、私たちの心は、誰からも干渉されない「自由」を望んでいるわけです。

認知的不協和
自分の信念や行動が他人と異なることに対する認知的不協和(矛盾からの不快感)が発生し、かえって元々の信念や行動を強化させることがあります。

社会的比較
他人に指摘・比較されることで、自己主張や自己確立のために元々の行動を強化することがあります。これは、ブーメラン効果を助長する要因となります。

 

 

ブーメラン効果の回避方法

ブーメラン効果を回避するためには、以下の方法が役立つことがあります。

共感と理解
説得や批判の代わりに、相手の立場や感情に共感し、理解を示すことが重要です。相手を尊重し、対話を促進しましょう。

ポジティブフィードバック
批判や否定的な意見を述べる際には、ポジティブな要素も強調しましょう。建設的なフィードバックはブーメラン効果を軽減させます。

自己一貫性
人々は自分自身が一貫性を持って行動することを好む傾向があります。説得相手に対して、自分の信念や行動がどのように一貫しているかを説明することが大切です。

 

 

論破じゃ相手は変わらない

心理学のブーメラン効果は、他人への説得や影響を考える際に理解しておくべき重要な概念です。

逆効果を招かないように、共感や理解、建設的なコミュニケーションを心がけましょう。
これにより、より効果的な対人関係を築くことができます。

(参考文献)
岩井俊憲「勇気づけの心理学」金子書房(2011)

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