希少性の原理

マーケティング

希少性の原理とは

希少性の原理(Scarcity)とは、ある商品やサービスが限定された状態の場合、それ自体に高い価値があると考える人間の心理的な特性のこと。希少性の法則とも呼びます。

数量的に限定された場合(限定100個の販売など)や、時間的に限定された場合(タイムセールなど)や、販売対象を限定された場合(会員限定販売など)のパターンがあります。

1975年に社会心理学者のステファン・ウォーチェル氏が、論文「Effects of supply and demand on ratings of object value」の中で紹介した実験が有名です。

 

法則うさぎ
法則うさぎ

タイムセールって、ついつい買っちゃうんだよねー!

イトケン
イトケン

欲しくもないものまで買わせてしまうタイムセール恐るべし!

 

 

どっちのクッキーが美味しいか?

ウォーチェルの希少性についての実験はとてもシンプルでした。

クッキーが2個入った瓶と、10個入った瓶。
どちらが美味しいと感じられるかというもの。実はどちらも同じクッキーです。
それにも関わらず、多くの被験者は2個入り瓶のクッキーのほうが美味しく感じられたという結果になりました。

どうやら私たち人間は、数が少ないというだけで、その物の価値を高く評価してしまうようです。

少ないものは人気があるに違いないという思考や、限定された状況に抵抗しようとする心の働きが希少性の原理を発動させていると言われています。 

 

希少性の原理の活用

数量の限定
限定版商品を提供することで、希少性の原理を活用することができます。特別なデザインや機能を持つ商品を数量限定で販売することで、顧客は「手に入れるチャンスを逃したくない」という気持ちに駆られ、購買意欲が高まります。これにより、売上の増加が期待できます。

時間の限定
期間限定のキャンペーンやセールを行うことも希少性の活用方法です。特定の期間内でしか購入できない特典や割引を提供することで、顧客は早めに行動することを促されます。この戦略は、需要を一時的に高める効果があります。

販売対象の限定
個々の顧客に合わせたパーソナライズされたサービスを提供することも、希少性の一形態です。顧客が自分だけの特別な扱いを受けることで、満足度が向上し、リピーターが増加する可能性があります。

 

 

希少性の原理の成功事例

Appleの新商品発売
Appleは、新商品を発売する際に希少性の戦略を巧妙に活用しています。商品発売時には、わざと需要を上回るほどの魅力的な商品数を用意せず、入手困難さを演出します。これにより、商品への注目度が高まり、ファンやコレクターからの支持を受けています。

ルイ・ヴィトンの限定コレクション
高級ブランドの一つであるルイ・ヴィトンは、定期的に限定コレクションを発売しています。これらの商品は数量が限られており、一度売り切れると再入荷しないことが多いものです。これにより、顧客は希少性を感じて購買意欲が高まり、長い間話題を提供することに成功しています。

 

 

今買わないと!と思わせる

希少性の原理は、ビジネス戦略において効果的なものと成り得ます。

限定商品の提供や、時間限定セール、会員限定販売など、様々な方法で希少性を活用することができます。希少性は顧客の関心を引き、ブランド価値の向上に寄与する重要な要素と言えるでしょう。

希少性の原理をうまく活用することで、競争の激しい市場でも差別化を図り、顧客の関心を集めることが可能です。

(参考文献)
チャルディーニ, R. B. (2014). 影響力の武器[第三版] 誠信書房
Worchel, S., Lee, J., & Adewole, A. (1975). Effects of supply and demand on ratings of object value. Journal of Personality and Social Psychology

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