ハンロンの剃刀

セルフコントロール

ハンロンの剃刀とは

ハンロンの剃刀(Hanlon’s razor)とは、「無能で十分説明されることに悪意を見出すな」とした教訓のこと。

つまり、他人の行動や発言に不適切なものがあった場合、そこに悪意があったと仮定するのではなく、ただその人がポンコツ野郎なんじゃないかということを最初に考えるべきとした考え方のこと。

1980年、アーサー・ブロックの著書「マーフィーの法則第二巻」に寄せられた教訓であり、その寄稿者ロバート・J・ハンロンに由来しますが、同様の考え方は18世紀にすでに存在していました。

 

法則うさぎ
法則うさぎ

悪意が無くても、ポンコツ野郎ってだけでイライラするけどね!

イトケン
イトケン

それを言うなよ・・・

 

 

ハンロンの剃刀の例

ここでいくつかのハンロンの剃刀の例を挙げます。
ただ、ポンコツであるだけなのに、なぜだか人はそこに悪意があったとみなしイライラしてしまう。似たような経験をされた方も多いかもしれません。

保証期間が切れた途端に壊れる電化製品
いわゆるソニータイマーという言葉があります。保証期間が切れると間もなく故障してしまうことがあり、それを人々は「メーカーの策略だ!」「わざと保証期間ちょうどに壊れるように作ってる!」と悪意があったとして声を荒らげますが、これは単にその程度の品質のものを作ってしまったメーカーがポンコツなだけです。

チームメイトの足を引っ張るスポーツ選手
チームプレイが大事なスポーツにありがちですが、人々は試合に負けると誰か1人を悪者扱いしてしまうことがあります。「彼にパスを出さないのは差別だ!」「味方のプレイを邪魔した!」などと悪意を感じてしまいます。差別も悪意もなく、これも単にその選手がポンコツなだけです。

不適切発言をしてしまう政治家
政治家の失言には耳を疑うようなものもあります。中には、日本ではなくアジア諸国の味方をしていると捉えかねない失言をしてしまう政治家もいます。すると「中国の味方をしている!」「日本を貶めようとしている!」とイライラする人もいますが、これもその政治家がポンコツ失言野郎ってだけです。

 

ハンロンの剃刀の要点は、他人の行動や発言が不適切であると感じた場合、最初に悪意を仮定せず、誤解や無知によるものである可能性を考えるべきだということです。人々の行動を理解する際には、無害な誤解やミスコミュニケーションの可能性を排除しないよう努力するべきです。

 

 

なぜハンロンの剃刀が重要なのか?

ハンロンの剃刀による教訓は、コミュニケーションと人間関係において多くの利点をもたらします。

誤解を減らす
ハンロンの剃刀を採用することで、他人との誤解を減らし、円滑なコミュニケーションを実現できます。

信頼を築く
悪意と仮定せず、情報や主張の背後にある誤解や誤った情報を共に修正しようとする姿勢は、協力と信頼の基盤を築きます。

対立を回避
他人との余計な対立を回避することができ、より建設的な解決策を見つける助けになります。

より良い人間関係のために、他人の行動や発言に対処する前に、冷静に状況を分析したり、最初に悪意を仮定せず、他人の意図を理解しようと努力しましょう。

また、直接話すことができるのであれば、積極的に不明瞭なことや誤解についてコミュニケーションをとる必要があります。

 

 

より良い人間関係のための教訓

ハンロンの剃刀は、コミュニケーションや人間関係において非常に役立つ教訓です。

他人の行動を理解し、対立を避けるためには、最初に悪意を仮定せず、誤解や無知の可能性を考慮することが大切です。この原則を実践することで、より円滑な関係を築くことができます。

ハンロンの剃刀を活用し、より良いコミュニケーションと人間関係を築く手助けとなることを願っています。

(参考文献)
ジェーン・パリッシュ「知の巨人たちの考え方を一冊で一度に一気に学びきるグレートメンタルモデル」サンマーク出版(2022)

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