MUM効果とは
MUM効果(MUM effect)とは、悪い情報を相手に伝えることを避けようとする心理傾向のこと。また、情報の受け取り手にとっての、情報が不足することで悪い方向に考えてしまう現象もこれに含まれます。
1970年にジョージア大学の心理学者シドニー・ローゼンとアブラハム・テッサーによって提唱されました。
例えば以下の事象が例に挙げられます。
(情報を伝える側)
仕事で大きなミスをしてしまった事実を上司に報告しにくい
(情報を受け取る側)
部下からの報告が来ないので、きっと悪いことが起きていると感じる
謝罪会見やりたくないな・・でもやらないと要らぬ憶測が生まれるよね・・
なにをやらかしたんや・・・
なぜMUM効果は発生するか
なぜ、ネガティブな情報は相手に伝えにくいのでしょうか。
仕事で失敗したことを上司になかなか言えなのは、叱られてしまうからでしょうか。
患者への余命宣告を躊躇してしまうのは、相手がショックを受けるからでしょうか。
ネガティブな情報を相手に伝えにくいのは、「悪い知らせなんか相手も聞きたくないだろう」という気持ちから生まれています。
また、悪い知らせだからこそ、これ以上の誤解や誤った解釈が生じてはいけないと感じ、伝えることが難しいと感じてしまうことも原因です。
なんでも話せる環境を作る
MUM効果を克服するためには、以下の方法が役立つかもしれません。
風通しの良い環境
言いづらいことでも、ちゃんと報告することが当たり前になっている環境ではMUM効果が発生しにくいと言われています。例えば、仕事でのミスを個人の問題と捉えるのではく、組織全体の問題と捉えることで、悪い報告でもそれがきっと組織のためになると共通理解が生まれ、悪い知らせでも報告しやすくなるはずです。
相手の感情を理解する
相手の立場や感情を理解しようと努力しましょう。相手の視点から情報を見ることで、適切なアプローチを見つけるのに役立ちます。
明確に伝える
誤解を避けるために、情報を明確かつ率直に伝えることが大切です。言葉遣いやコミュニケーションスタイルに注意しましょう。また、一方的な情報伝達ではなく、相手との対話を促すことで誤解を減らし、共感を築くことができます。
(参考文献)
山浦一保「武器としての組織心理学」ダイヤモンド社(2021)https://amzn.to/3TlNHAu
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