リンゲルマン効果

チーム作り

リンゲルマン効果とは

リンゲルマン効果(Ringelmann effect)とは、集団で共同作業をするとき、人数が多ければ多いほど一人当たりの作業貢献度が低下する現象のこと。つまり、作業人数が多いとサボりやすいとする現象のことです。

フランス国立農学研究所の農業工学教授マクシミリアン・リンゲルマンが、1913年に発表しました。

 

法則うさぎ
法則うさぎ

作業人数が多い方が効率がいいんじゃないの?

イトケン
イトケン

この現象は「社会的手抜き」とも呼ばれるよ♪

 

 

人数が多いと作業効率が低下する

農業工学が専門のリンゲルマン教授は農学校の生徒達の作業効率を考え、個人が一人で作業する場合に比べて、集団での作業では思ったほどの成果が得られないことがあることに気づきました。

そこで、生徒達にロープを引っ張り合う実験をさせ、グループが費やした努力は、個別に行動する生徒が費やした努力の合計よりも小さいことを発見しました。

 

リンゲルマン効果を紹介する際に、よく運動会で見られる競技「綱引き」が例に挙げられます。綱引きが大人数になればなるほど、「手抜き」をしやすいというわけです。そう言われてみると、確かに運動会でふざけて綱引きをしているクラスメイトが何人かいましたよね。

1人対1人の綱引きだと100%の力で競技に挑むのに対し、3人対3人では85%、8人対8人では49%と無意識に力を加減してしまう傾向にあります。

これは会社組織にとっては深刻な問題です。そもそもビジネスの世界は共同作業やチームワークで成り立っているからです。

リンゲルマン効果が会社組織において、生産性の低下やモチベーションの低下を引き起こし、効果的なチームワークを妨げることから、企業はこの効果を克服し、効率的な共同作業を促進する方法を模索する必要があります。

 

 

リンゲルマン効果の原因

リンゲルマン効果の原因として考えられるのが、責任感の希薄化です。

作業人数が多いと、無意識に「誰かが頑張ってくれるだろう」と考えてしまい、全力を出しているにも関わらずパフォーマンスは低下してしまいます。

また、作業人数が多いことでコミュニケーションの疎通が上手く取れないことも原因の1つだと言われています。組織としての目標やゴールを全作業者に伝達できず、チームの力を発揮できないまま不本意な結果を迎えてしまうことがあります。

 

 

リンゲルマン効果を克服する方法

リンゲルマン効果を克服するためには、以下の方法が役立ちます。

役割分担の明確化
各メンバーの役割を明確にし、責任を分散せずにきちんと割り当てます。

コミュニケーション強化
チーム内でのコミュニケーションを促進し、情報共有をスムーズにします。

目標設定と評価
共通の目標を設定し、成果を定期的に評価して進捗を確認します。

モチベーションの向上
メンバーのモチベーションを高めるために、成功体験を共有し、感謝の意を表します。

 

リンゲルマン効果は、集団での共同作業において起こりやすい問題ですが、適切な対策を講じることで克服できます。

チーム内での役割分担、コミュニケーション、目標設定、モチベーション向上に焦点を当てることで、効果的な共同作業を実現できるでしょう。

(参考文献)
釘原直樹「人はなぜ集団になると怠けるのか – 社会的手抜きの心理学」 中公新書(2013)https://amzn.to/3trwb31

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