社会的交換理論

他者/自己

社会的交換理論とは

社会的交換理論(Social exchange theory)とは、人間関係や社会的な行動の根源は交換であるとした理論のこと。アメリカの社会学者ジョージ・ホーマンスが提唱しました。

この社会的効果理論において、交換対象となるものは、愛情、サービス、物品、金銭、情報、地位の6つだと言われています。

いくつかの例を挙げます。

職場の例
従業員は仕事に対するコスト(時間、労力、ストレス)とお給料を交換しています。

ボランティアの例
ボランティアは自身の時間やスキルを提供し、その対価として個人的な充実感や社会への貢献を得ています。

恋愛関係の例
気になる異性にプレゼントを贈るという行動は、プレゼントと相手の好意を交換しています。

 

法則うさぎ
法則うさぎ

お金と商品を交換するのが経済的交換で・・

イトケン
イトケン

かけたコストと精神的・対人的報酬を交換するのが社会的交換♪

 

 

報酬-コスト=利益

先ほどの異性にプレゼントを贈る例をもう少し掘り下げてみましょう。

気になる異性にプレゼントを贈る行動にはコストが伴います。これは金銭的なものに限らず、プレゼントを買うためにお店に足を運ぶ時間的コストも含めて、心理的なコストと呼ばれます。

そして、得られた相手の好意を報酬と考えたとき、報酬からコストを差し引いたものが利益になります。

報酬-コスト=利益

相手の好意-プレゼント=利益

つまり、人間はこの利益のために行動するということです。

 

もし相手の好意を得るためにフェラーリのような高級外車をプレゼントしなくてはいけない場合、割に合わないとあきらめる人もいるでしょう。

それは相手の好意という報酬からフェラーリというコストを差し引いて、利益どころか大赤字になってしまうと考えるからです。

相手の好意-フェラーリ=大赤字

しかし世の中にはフェラーリをプレゼントしてでも、自分に好意を寄せてほしいと考える人もいるかも知れません。

それは相手の好意という報酬からフェラーリを差し引いても、利益が出ると考えているためであって、フェラーリがポンと買えてしまうほどのお金持ちか、もしくは相手の好意にフェラーリ以上の価値があると考えているからです。

 

 

相手あっての交換

もちろん相手あっての交換です。中には交換が成立しないこともあります。

異性へのプレゼントの例で説明すると、自分にとってプレゼントはコストですが、相手にとってはプレゼントは報酬になります。

同じように、相手の好意は自分にとって報酬ですが相手にとってはコストになるため、相手がこの交換に応じるかは相手次第です。

例えば電車やバスの中で、お年寄りに席を譲ったのに(コスト)、感謝の言葉(報酬)も無く、当たり前かのような態度を取られると、なんだかモヤモヤしてしまいます。

お年寄りにとっては席を譲ってもらった(報酬)のに対し、感謝を伝える(コスト)必要がない、そんなの当たり前だろうと考えているからです。

これは このお年寄りに限らず、人間の特性として、なるべく少ないコストで利益を最大にしようとする心理傾向から生まれています。

 

 

人間関係は交換で動いている。

社会的交換理論は、私たちの日常生活における対人関係や決定に影響を与える重要な要因です。

利益とコストの比較、最大利益の追求、均衡と不均衡、コストと報酬のバランスを考えることは、より良い対人関係を築くために役立ちます。

この理論を理解し、実践に活かすことは、人生のさまざまな側面での成功につながるでしょう。

社会的交換理論は、対人関係の心理学を理解し、日常生活に適用するための貴重なツールです。自己利益を最大化しつつ、他者とのバランスを取り、良好な対人関係を築く方法を見つけることが大切です。

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