エンパワーメント

チーム作り

エンパワーメントとは

エンパワーメント(Empowerment)とは、これまで権限や決定権を持っていなかった個人やグループに対してそれらの権利を与え、能力や自己信頼心を高め、自己決定力を強化するプロセスやコンセプトのこと。

ビジネスにおいては「権限委譲」という意味合いで使われ、組織の上層部ではなく、現場の作業員にこそ様々な権限を与えるべきとした考え方で、これにより現場の作業員1人1人が自分の頭で考えるようになり、結果として組織が活性化すると言われています。

また、ビジネス以外では、女性のエンパワーメント、若者のエンパワーメント、貧困層のエンパワーメントと言ったように様々な分野において変化と発展に寄与する重要な考え方です。

もともと1980年代の女性解放運動をきっかけとした動きがありましたが、ブラジルの教育思想家パウロ・フレイレが提唱し、社会学的な意味合いで用いられるようになった用語です。

 

 

 

ビジネスにおいてのエンパワーメント

ビジネスにおいてのエンパワーメントは、現場の従業員やチームに対して権限と責任を与え、彼らの能力と自己決定力を高めるプロセスを指します。組織内で効果的なリーダーシップ、自己効力感の向上、イノベーションの促進などの側面で重要な役割を果たします。

有名なものとして新幹線の清掃スタッフや星野リゾートの事例があります。

新幹線の清掃スタッフの例
東京駅の新幹線清掃スタッフに決定権や権限を与えたことで、作業内容に対し1人1人が主体的に考えるようになり、様々なアイデアが生まれ、結果として清掃技術とチームワークが大きく向上。最短7分間で最大17車両の清掃などを実現した。

星野リゾートの例
リゾートホテルの支配人は立候補によって決められ、キャリアに関係なくチャレンジできる制度など、エンパワーメントによって社員のモチベーションや責任感を育てている。結果、離職率が低下しただけではなく、若手が積極的にチャレンジできる職場が生まれた。

 

 

エンパワーメントのポイント

権限委譲
ビジネスにおけるエンパワーメントは、従業員やチームに決定権や責任を委任することを含みます。これにより、彼らは日常業務においてより多くの自己決定力を持つことができます。

情報の共有
エンパワーメントは、従業員に必要な情報を提供することを含みます。情報の透明性は、適切な意思決定を行うために重要です。

スキルと能力の向上
従業員のスキルと知識を向上させ、彼らの仕事の質を向上させるトレーニングや教育がエンパワーメントの一部です。

サポートとフィードバック
従業員に対するサポートとフィードバックは、エンパワーメントを強化します。リーダーシップは、従業員が成功するためのリソースと指導を提供することが求められます。

 

 

エンパワーメントの利点

意思決定の迅速化
エンパワーメントにより、従業員はより速く意思決定を行うことができ、迅速な対応が可能になります。これは市場変化に対応する際に特に重要です。

従業員のモチベーション向上
権限と責任を持つ従業員は、仕事に対するやる気と熱意を高めることがよくあります。彼らは自分の仕事に貢献していると感じます。

イノベーションの促進
エンパワーメントはイノベーションを促進する要因となります。従業員は新しいアイデアを出しやすく、問題解決にクリエイティブな方法を提供します。

組織全体の効率向上
従業員が自己決定権を持つことで、組織全体の効率が向上し、生産性が高まります。結果として、業績が改善します。

チームワークと協力
エンパワーメントはチームの協力を促進し、個々の貢献が尊重される環境を醸成します。

 

ビジネスにおけるエンパワーメントは、組織の成功に向けた強力な手段であり、リーダーシップや組織文化の一部として取り入れられるべき重要なコンセプトです。従業員のモチベーションと生産性を向上させ、組織全体の競争力を強化するのに役立ちます。

(参考文献)
ケン・ブランチャード「社員の力で最高のチームをつくる」ダイヤモンド社, (2017) https://amzn.to/3TtFpGS

コメント

タイトルとURLをコピーしました