自責の念による反応増幅仮説とは
自責の念による反応増幅仮説とは、相手を傷つけてしまった時など、自分に責任があると感じた場面で精神的な苦痛を和らげるために相手に対してより攻撃的になる心理傾向のこと。
この考え方では、被害者は傷ついた様子を加害者にを見ないほうが得策であるということになります。
タックルを受けたサッカー選手がやたら痛がるアレ?
あれは、、審判へのアピールだからちょっと違うかも。
暴力を振るう相手に涙を見せてはいけない
妻に暴力を振るう夫、夜な夜な暴れる引きこもり息子。そんな家庭内DVが社会問題になっています。
とても悲しいことなので、被害者の中には苦痛とショックで涙を流す方もいると思います。
また、時には被害をあえてアピールすることで暴力を振るった相手の後悔を促すことができると考えている方もいるのではないでしょうか。
しかし残念ながら、このような被害者の行動は逆に相手の攻撃性を強化してしまう結果につながります。
同じように、クレーマー客に対して困った態度を見せる店員さん、クレーマーに怒鳴られて思わず涙してしまう新人アルバイトスタッフ。これらもクレーマー客がより攻撃的になるきっかけを作っていることになります。
自責の念による反応増幅仮説のメカニズム
暴力を振るった人やモンスタークレーマー側の心理を考えてみましょう。
相手を傷つけたと感じると多少の後悔や罪悪感を感じるものですが、相手が涙したり反論したりすると、それだけ相手を強く傷つけてしまったという何とも言えない居心地の悪い気持ち(自責の念)が生まれます。
加害者はこの居心地の悪い気持ちを正当化させるために、「相手は傷つけられて当然の人間である」という考えが強化されます。
よって被害者が、涙を流したり反論したりすることはかえって加害者の攻撃をマシマシにしてしまうという仕組みです。
もし誰かに傷つけられたら
では、もしあなたが誰かに傷つけられたら、どのように反応したら良いのでしょうか。
泣いたり反論することは、相手の攻撃性が強化されるので適切な反応とは言えません。
例えば、クレーマーに対しては「貴重なご意見ありがとうございます」や「どのようにご案内すべきでしたでしょうか」という風に、感謝や質問で相手に投げかける反応が望ましいと言われています。
そうすることで、攻撃性を強化させることなく相手に「ちょっと言いすぎたかな」という小さな罪悪感を与えることができます。
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