黄昏効果とは
黄昏効果(Twilight effect)とは、夕方ごろに人間の思考力や判断力が著しく低下する現象のこと。
人間のバイオリズムを見ても、朝の起床から覚醒周期が上下変動しています。肉体的な疲労や精神的なストレスが蓄積されていき、夕方ごろは一日のなかでも最も思考力・判断力が鈍る時間帯だと言われています。
また、起床から時間の経過とともに人間は身の回りのあらゆるものに注意を払いながら一日を過ごしています。
行動経済学者でノーベル賞受賞者のダニエル・カーネマン教授は、人間が注意を払うことができる行動は有限であるとした注意資源(Capacity theory for attention)という考え方を提唱しています。
朝は注意資源がたっぷりあるため、物事の判断や思考がフル回転しますが、夕方ごろになってくると、注意資源が足りなくなってくるので、思考力が低下するとした理論です。
僕は夕方というか、帰宅するころに頭スッキリしてるけどな・・
それ、仕事から解放されてテンション上がってるだけじゃね?
夕方ごろに判断力が落ちる
夕方以降に交通事故が発生しやすいのも、運転者の判断力が落ちているせいだとも言われます。(夕方ごろから急に薄暗くなることのほうが関係しているかもしれませんが)
そのため、交渉事や説得のような大事な場面では相手の判断力が落ちる夕方の時間を狙うべし!とした心理学的なエピソードを時々目にしますが、相手だけでなくこちらも判断力が落ちているというオチになりそうです。
なお、注意資源は一晩ぐっすり眠るとリセットされて、翌朝には判断力フルスロットルの状態に戻ります。
ミスが発生しそうな細かい仕事は午前中のうちに着手したほうがいいのかも知れません。
(参考文献)
ダニエル・カーネマン「ファスト&スロー」早川書房(2012)https://amzn.to/3TzDUGS
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