タックマンモデル

チーム作り

タックマンモデルとは

タックマンモデル(Tuckman model)とは、チームの成長には発展段階があり、それらを理解するための考え方のこと。

例えば、木村拓哉さんが主演しているドラマを思い出してみましょう。

木村拓哉さん演じる主人公は、ドラマの序盤では何かと仲間とケンカしたり、すれ違ったり、ぶつかり合います。

しかし、ドラマの中盤以降では、そのような衝突が無くなり、仲間と一丸となって目標に向かって突き進むというストーリーになっていることが少なくありません。

木村拓哉さんのドラマに限った話でもありませんが、「HERO」、「グランメゾン東京」、「教場」、「エンジン」、「BG-身辺警護人」など、ワケありの天才役を演じることが多い木村さんのドラマでは序盤やたら仲間とぶつかりまくります。

タックマンモデルは、木村さんのドラマにあるようにチームには形成段階があり、それぞれの段階で望ましい行動があるとした考え方で、1965年に心理学者のブルース・タックマンが提唱したものです。

 

法則うさぎ
法則うさぎ

キムタクドラマはワンパターンってこと?

イトケン
イトケン

その言い方、誤解生むからホントやめて!

 

 

強いチームができあがるまでの4段階

 

優秀なメンバーを集めたからといって、最初から強いチームが作られることはありません。

強いチームができあがるまでには段階があり、各段階でリーダーはどう振る舞うべきかを示したものがタックマンモデルです。

(なお、ここではチームの解散を示した5段階目「散会期」(Adjourning)を省略しています。)

成立期(Forming)
チームメンバーたちが集結した、いわゆる「バイト初日」みたいな段階のこと。まだ目標は定まらず不安が漂います。この段階では、リーダーが方針を示し、メンバー1人1人が役割や責任を理解してもらう必要があります。また、メンバー同士が打ち解ける手助けをすることも求められます。

動乱期(Storming)
異なる意見や競争心が表面化しやすい段階。各メンバーの主張やプライド、人間関係も重なり、時にチームがバラバラになりがちなフェーズのこと。リーダーは対立を収束させ、メンバーの意見を調和させるリーダーシップが必要です。コミュニケーションスキルの向上が肝心です。

安定期(Norming)
共通のルールや期待が確立され、グループの協力が強化される段階。メンバー間お互いの考え方も分かって来て、親しみと信頼で成り立っている時期とも言えます。リーダーはチームの共通の目標に焦点を当て、協力と信頼を促進します。

遂行期(Performing)
チームに結束力と連動性が生まれて最も生産的であり、共通の目標に向けて効果的に協力する段階。リーダーは成果を最大化するためにメンバーをサポートし、絶え間ないフィードバックを提供する必要があります。

 

 

いかにグループから抜け出すか

タックマンモデルにおける最初の2つのフェーズ「成立期」「動乱期」グループと呼び、そのあとの2つ「安定期」「遂行期」チームと呼びます。

当然グループのうちは、生産性も低く、メンバー同士のまとまりもありません。いつまでたってもグループのままなのか、それともさっさとチームに移行して成果をあげるのか。チームリーダーの役割は重大です。

チームリーダーの役割
「成立期」
細かく指導し、メンバー間の理解を促す
「動乱期」
対立を明確にして議論させ共通理解に努める
「安定期」
各メンバーのサポート役に徹する
「遂行期」
メンバーの今後の育成を考える

一般的に上記のようなチームリーダーの役割があると言われています。

チームリーダーは初期こそ手厚く対応しますが、チームへの関与はだんだんと減っていくということが分かります。メンバーの主体性に任せて、補助輪を外してあげることも重要ということです。

 

 

ぶつかりあうことの重要性

人間関係が劣悪でぶつかりあうことが多い動乱期は、精神的にもストレスフルなものですが、この段階でぶつかりあうことがよりチームを強くします。

メンバー同士よそよそしい関係だったり、仲がいいだけでは、100%の力を発揮できない場合があるということです。

例えば、異なる意見の仲間にどこまで踏み込んで意見することができるのか、そんな相手の許容範囲や距離感を理解するには正面からぶつかってみないと分かりません。

また、それぞれのチームメンバーの強み弱みを理解することで、遂行期ではメンバー1人1人が連動して主体的に行動するようになりますが、動乱期で意見をぶつけあい、仲間のことを深く理解しておくことで、より効果的にメンバー同士お互いの長所を生かし、短所をカバーして行動ができるようになります。

ちょっと話はズレますが、相手を怒らせるか怒らせないかというギリギリのラインを心理学ではネガティブ閾値(Negative interaction)といいます。

ネガティブ閾値の低いカップルはちょっとしたことですぐにケンカになり、ネガティブ閾値の高いカップルはちょっとのことじゃケンカをしない。

でも、この2組のカップルでは、ケンカをしないネガティブ閾値の高いカップルのほうが別れてしまうことが多いといわれています。

ぶつかりあうことはしんどいものですが、それがあるからこそお互いを分かり合えるということ、そしてお互いを理解したチームは強いということです。

(参考文献)
関島康雄「チームビルディングの技術: みんなを本気にさせるマネジメントの基本18」日本経団連出版(2015)https://amzn.to/3Rp9xQU

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