フィッシュ哲学

チーム作り

フィッシュ哲学とは

フィッシュ哲学(The Fish! philosophy)とは、4つの行動指針で仕事に取り込むことで、組織の活性化や従業員のやる気向上を目指す人材マネジメント手法のこと。

さびれた魚市場だったシアトルのパイク・プレイス・マーケットが、人気の観光名所に生まれ変わるきっかけとなった考え方で、経営コンサルタントのジョン・クリステンセンが提唱しました。

このパイク・プレイス・マーケットでは「フライング・フィッシュ」と呼ばれる、商売人同士が魚を投げてキャッチする、そんな文字通り魚が宙を飛び交うパフォーマンスで一躍人気になりました。

 

法則うさぎ
法則うさぎ

学生の頃の、〇〇〇の荷物仕分けバイト、こんな感じで投げまくってたよ。

イトケン
イトケン

やめとけ!

 

 

魚市場を蘇らせた4つの行動指針

魚市場の仕事は朝早く、そしてハッキリ言ってお給料も良くありません。

フィッシュ哲学では「仕事もキツくて、給料も安い」ということに関しては、あくまで経営側の問題として触れていません。

しかし、だからといって「俺たちの日々の仕事がつまらないものである理由にはならない」という考えが根底にあります。

パイク・プレイス・マーケットでは、従業員が4つの行動指針を元に楽しんで仕事をするようになった結果、魚市場に活気が戻り、観光客も増え、結果として、魚市場で働く従業員の収入もアップすることになりました。

4つの行動指針(1)
Play「楽しんで仕事する」

フィッシュ哲学では、仕事に遊び心を取り入れることが強調されています。楽しさと創造性が働き場を彩り、新しいアイディアが生まれやすくなります。日常業務にも少しのユーモアをプラスし、チーム全体がポジティブな雰囲気の中で協力して働くことが大切です。

4つの行動指針(2)
Make Their Day「人を喜ばせる」

お客さんや従業員同士、常に楽しい雰囲気で接し、相手に満足を与えることを優先します。お互いに喜ばせ、尊重し合うことを通じて、ポジティブな効果を生み出すことが期待されています。これは関係構築や協力の向上に寄与し、より良い労働環境を構築する一環です。

4つの行動指針(3)
Be There「注意を向ける」

目の前のお客さんに常に注意を払います。そうすることで、1つ1つの接客が丁寧になり、コミュニケーションが活発化するため従業員の印象も良くなります。また、従業員が周りの状況に注意を向けることで、最適な判断ができるようになりパフォーマンスが向上することも示しています。

4つの行動指針(4)
Choose Your Attitude「態度を選ぶ」

常にポジティブな態度で仕事に打ち込みます。フィッシュ哲学では、困難な状況にも前向きな姿勢を持つことが求められます。ポジティブな態度を選び、解決策を見つける意識が、個人の成功と組織の成果を促進します。

 

 

従業員側が主体となって進めることに意義がある

労働環境とお給料は変わらず悪いまま、従業員のモチベーションを向上させるというのは、いわゆるブラック企業が使う手法と紙一重ではありますが、これらの行動指針を経営側から押し付けるのではなく、従業員側から率先して実施することに大きな意味があります。

もちろん、労働環境とお給料が変わらないのであれば、一見なにも変わっていないように見えてしまうのも仕方がありません。

でも、日給1万円で過酷な仕事と、日給1万円で過酷だけど楽しい仕事だと、多くの人が後者を選ぶのではないでしょうか。

労働条件と従業員マインドは切り離して、経営側の課題と働く側の課題に分けることで、従業員側にできることを確実に実践するフィッシュ哲学。
楽しさと協力を通じて仕事の品質を向上させ、組織全体のパフォーマンスを向上させる素晴らしい手法です。

遊び心を忘れず、やりがいを追求し、他者と協力し、前向きな態度を持つことで、より良い働き場を築くことができます。是非、フィッシュ哲学を取り入れて、仕事に新しい風を吹き込んでみましょう。

(参考文献)
ジョン・クリステンセンほか 「フィッシュ!鮮度100%ぴちぴちオフィスのつくり方」早川書房(2000)https://amzn.to/482OiM2

コメント

タイトルとURLをコピーしました