スイスチーズモデル

リスクマネジメント

スイスチーズモデルとは

スイスチーズモデル(Swiss cheese model)とは、組織やシステムの安全性やリスク管理に関する概念的なものの一つで、人為的なエラーや不備が積み重なり、最終的には問題や事故が発生する仕組みを説明するためのモデルです。

Image by BenAveling, CC BY-SA 4.0 https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0

作業工程やシステムには、事故を防ぐための防御壁がありますが、チーズの穴という脆弱性も存在します。

しかし、複数の防御壁を立てることで、事故が起きる可能性を最小化できるとした考え方です。

このスイスチーズモデルはマンチェスター大学のジェームズ・リーズンによって考案されました。

 

法則うさぎ
法則うさぎ

穴ありきなんだね。

イトケン
イトケン

でも、スライスチーズを重ねることで事故の発生を防げるんだよ。

 

 

スイスチーズモデルの基本理念

スイスチーズモデルでは、組織やシステムをスライスした「チーズ」のような構造としています。

各スライスには異なる防御メカニズムが備わっており、これが組み合わさることで全体としての安全性が確保されます。

これは、単一の防御が穴だらけであっても、他の防御が補完し合い、最終的なリスクを低減するメカニズムを示しています。

 

 

スライスと防御メカニズム

各スライスは組織内の異なる要素やレベルを表し、防御メカニズムはそのスライス内で機能します。

これにより、組織は異なる角度からリスクに対処でき、単一の障害が全体の安全性に影響を与えにくくなります。

そして、チーズの穴が問題やリスクを表しています。

例えば、ある防御メカニズムが失敗した場合でも、他の防御が働くことで全体の安全性が維持されます。

ただし、全ての穴が塞がっているわけではなく、このモデルも完璧ではないことに注意が必要です。

 

 

リスクを冗長化することで安全を確保する

スイスチーズモデルは、組織やシステムの安全性とリスク管理において、単一の対策だけでなく複数の要素を組み合わせることの重要性を示しています。

また現在、このモデルは、航空・船舶などの交通安全、医療やエンジニアリング、ITセキュリティをはじめとした様々な現場で応用されています。

(参考文献)
ジェームズ・リーズン「組織事故とレジリエンス―人間は事故を起こすのか、危機を救うのか」日科技連出版社(2010) https://amzn.to/41s7ccp

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