WBS

フレームワーク

WBSとは

WBS(Work Breakdown Structure、作業分解構成図)とは、計画全体を細かなタスクに分解し、階層構造にした図のこと。やるべきことを明確にしたり、進み具合を管理するときに便利なプロジェクト管理ツールです。

ここでは、海外旅行計画のWBSを例に考えてみます。

このように「海外旅行に行く!」という大きな計画も分解することで、細かなタスクに分けることができます。

 

法則うさぎ
法則うさぎ

大きすぎる計画だと、何をすべきか困る時があるもんね。

イトケン
イトケン

細かく分解することで、着手しやすいし管理もしやすくなるよ♪

 

 

モレなくダブりなく分解する

このWBSはある意味、計画が達成できるようになっている計画表ともいえます。なぜなら、上の階層を達成するために下の階層が存在するからです。そして、その下の階層を達成するために、さらに下の階層が存在します。

 

2層目の8つのタスクは、最上層の「海外旅行に行く!」を達成するためにできています

 

そして3層目3つのタスクもまた、2層目のタスク「旅費の確保」を達成するために存在しています。

つまり、すべてのタスクを達成すると、最終的には一番上にある計画が成功するようにできているのがWBSです。

そのために、MECEみーしーと呼ばれる分解のルールがあります。簡単にいうと「モレなくダブりなく分解すべき」というルールです。

MECEは「100%ルール」とも呼ばれ、下層のすべての要素を満たすと、必ず上層のタスクが達成されるように分解しなくてはいけません。

例えば、2層目に存在する8つのタスクをすべて満たすことで、上の階層の「海外旅行に行く!」が必ず達成されるように分解しなくてはいけないということです。

3層目も同様で「貯金計画」「節約計画」「家族からの支援」の3つを達成すると、必ず1つ上の「旅費の確保」が実現できるように分解しなくてはいけません。

ビジネスにおいては、WBSでタスクの洗い出しを行い、ガントチャートやToDoを作成していくことになるため、正しく分解を行うことが重要になってきます。

 

 

WBSはどこまで分解するの?

WBSを作成しようとして最初に悩むところが、どこまで分解すべきかという問題です。

今回例に挙げた「海外旅行に行く!」計画では3層目までしか記載していませんが、3層目の「貯金計画」等、まだまだ分解できる箇所はあるように思えます。

どこまで細かく分解すべきか。基本的には、最下層のタスクに取り組む人が具体的に何をすべきか分かりやすいものになるまで分解するというのが理想ですが、計画の開始段階では未知のことが多いため分解ができないこともあります。

例えば今回の例では、計画フェーズの「予算の設定」を済ませていないと、目標金額が定まっていないため、旅費の確保の「貯金計画」「節約計画」をさらに細かく分解することはできません。また、同じように、目的地が決まらないと、航空券もホテルに関することも分解のしようがありません。

そんな時は無理にタスクを分解するのではなく、あえて分解しない状態にしておき、計画が進んであれこれ決まってきた後に分解することになります。

なお、一般的には最下層のタスクが8~80時間を要するタスクになるくらいが望ましいとされています。

(参考文献)
グレゴリー・ホーガン「実務で役立つWBS入門」伊藤衡訳、翔泳社(2005)https://amzn.to/3Tto3tv

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