学生症候群とは
学生症候群(Student syndrome)とは、与えられた課題に時間的余裕を感じると、着手が遅れてしまうとした人間の特性のこと。物事の計画が狂ってしまう原因の1つと言われています。
物理学者でベストセラー「ザ・ゴール」の著者であるエリヤフ・ゴールドラット博士が提唱しました。
「余裕」って、決していいものでもないんだ。
それは本当に「余裕」なのか?人間の悪い癖なんです・・。
学生に猶予を与えた結果・・・
ある学生が、課題のレポートを期日までに仕上げることができなかったため、ゴールドラット博士にあと数日の猶予が欲しいとお願いしました。
すると博士は・・
「わかりました、1週間後までにレポートを完成させてください。」
ゴールドラット博士は学生に1週間の時間的猶予を与えたわけです。
しかしながら、学生はレポートになかなか着手しません。
博士は時間的猶予を与えたことで、タスクへの着手が遅れるきっかけになってるのではないかと考え、この現象のことを学生症候群と名付けました。
なぜタスクへの着手が遅れるのか
時間的猶予を感じると人間はタスクへの着手が遅れてしまう。
夏休みの宿題がいつもギリギリになるのも、この学生症候群のせいで発生しています。7月は夏休みも始まったばかり。締め切りはずいぶん先にあるように感じます。
日々の仕事やプロジェクトを推し進めるときにも、それらの計画を狂わせてしまう学生症候群。なぜタスクへの着手が遅れるのでしょうか。
有力な説として「バッファを余裕時間と錯覚してしまうこと」が挙げられます。
バッファは言わば「調整時間」として計画に組み込まれているものですが、これを余裕時間とみなしてしまうところが学生症候群が発生する原因だと言われています。
そのため、タスクとバッファをセットにするのではなく、計画全体の最後に(夏休みで言うならば8月最終週に)すべてのバッファをまとめておくといった工夫が必要です。
(参考文献)
Project Management Body of Knowledge, Project Management Institute
コメント