ゼロベース思考とは
ゼロベース思考(Zero-Based Thinking, ZBT)とは、過去の前提や経験にとらわれることなく、あたかも最初から考えるように問題や状況を分析し、解決策を見出す思考法のこと。
このアプローチにより、従来の方法に固執することなく、より柔軟で革新的な思考が可能になります。
特にビジネスの世界では、ゼロベース思考が大きな価値を持ちます。
市場の変化や消費者のニーズは常に進化しており、過去の成功体験が今後も成功を保証するわけではありません。
ゼロベース思考を用いることで、企業は現状を正確に把握し、未来に向けた最適な戦略を立案することができます。
「前提を疑え」ってことだね。
思い込みや先入観は、僕らの創造性を制限しちゃうもんだ。
予算管理の手法を応用
1960年代、半導体の世界的企業であるテキサス・インスツルメンツ社にて管理職をしていたピーター・ピールは、ゼロベース思考の元である「ゼロベース・バジェティング」(ZBB)という概念を考案しました。
ZBBは、毎年の予算を前年度の数字に依存せず、すべての経費をゼロから見直し、その必要性を評価する手法です。
無駄な支出を削減し、資源をより価値の高い活動に再配分できる点が評価され、1973年にジミー・カーター大統領がジョージア州知事時代に州行政予算プロセスにZBBを導入したと言われています。
この考え方は、ビジネスの効率化やコスト削減に非常に有効であることが示され、その後多くの企業や組織に採用されてきした。
一方で、ゼロベース思考自体は、ZBBの原理を広く思考法や意思決定プロセスに応用した概念です。
ゼロベース思考の4ステップ
問題や状況を白紙の状態として捉える
このステップでは、既存の前提や過去の経験にとらわれずに、問題や状況にアプローチします。あたかもその問題に初めて直面したかのように考えることで、新しい視点や解決策を発見する可能性が広がります。
目的や目標を明確に設定する
明確な目的や目標を設定することで、どのような解決策が必要か、何を達成しようとしているのかがはっきりとします。これにより、効果的な解決策を見つけやすくなり、目標達成に向けての方向性が明確になります。
様々なアイデアを出し、新たな視点を探求する
従来の思考パターンや枠組みにとらわれずに、多様なアイデアを出すことが重要です。異なる視点からのアイデアが、従来にはない革新的な解決策へとつながることがあります。
実行可能な解決策を評価し、実施する
いくつかのアイデアや解決策を出した後は、それらの実行可能性や効果を慎重に評価します。最も有効と思われる解決策を選択し、具体的な行動計画を立て、実施に移します。
(参考文献)
スティーヴン・レヴィット, スティーヴン・ダブナー「0ベース思考」櫻井祐子(訳), ダイヤモンド社(2015) https://amzn.to/3Tac82a
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