ツァイガルニク効果

やる気

ツァイガルニク効果とは

ツァイガルニク効果(Zeigarnik effect)とは、達成できたことより、できなかったことのほうが記憶に残りやすいとした心理効果のこと。

ソ連の心理学者ブリューマ・ゼイガルニクが発表した論文は、未完了のタスクや仕事が人々の心理的な状態に影響を与えるというものでした。

ゼイガルニクは、未完了のタスクが人々の注意を引きつけ、それが解決されるまで頭の中に残ることを発見し、こう述べています。

「目標が達成されない行為に関する未完了課題についての記憶は、完了課題についての記憶に比べて想起されやすい」

 

法則うさぎ
法則うさぎ

できなかったことにフタをしてしまうけどな僕・・

イトケン
イトケン

黒歴史にしちゃうってこと?すごいな君!

 

 

上手くいかなかったことばかり覚えている

小学生の頃、逆上がりができなかったことや、読書感想文を上手に書けなかったこと。

そんな未達成のタスクは人間の記憶に強く残る(正確には「思い出しやすい」)ことがあります。

例えば、目標を達成できた月のことよりも、目標達成ができなかった月のことばかり記憶に残っているので、なかなか自分に自信が持てなかったり、うまくできなかったこと、苦手なことばかり覚えているせいで、心理的にネガティブになってしまう人もいます。

眠る前に、自分の過去のやらかした思い出を思い出して恥ずかしくなってしまうのも、このツァイガルニク効果が関係していると言われ、脳が過去の未完了のタスクに不快感を示しているのではないかという説も存在します。

また、未完了のタスクが頭の中に残ることで、集中力や注意力が低下してしまう可能性があります。
人事異動で離脱したプロジェクトの状況が気になってしまい、ほかの仕事に集中できないなどもこれに該当します。

 

 

脳の勝手な働きであると理解する

未完了のタスクは、脳内で情報を処理し終えることなく放置されます。そのため、脳はタスクの完了を求めるシグナルを送り続けます。

また、未完了のタスクは脳内での情報処理の優先度を上げます。
これは、脳が途中で終了した情報処理を続行することで、リソースの効率的な使用を図ろうとするためです。その結果、未完了のタスクは他のことに比べて注意を引きやすくなるといったメカニズムがあります。

私たちはこの脳の勝手な働きのせいで、ツァイガルニク効果が発動し、上手くいかなかったこと、苦手なこと、途中で止めたことばかり思い出してしまいます。

でもこれは、私たちの意志ではなく、脳の勝手な働きのせいです。
ならば、後ろめたさや不安を感じる必要もありません。

そんなツァイガルニク効果という脳の特性があることを「知る」だけで、心に余裕が生まれます。未完了タスクのことが浮かんできても、脳の勝手な働きで不安を感じている、と自分を客観的に見ることができるわけです。

 

 

逆にツァイガルニク効果を利用する

未完了のタスクがどうしても気になってしまう・このツァイガルニク効果の特性を生かして仕事や勉強の効率を上げることもできます。

コツは、「キリのいいところまでやらない」ということです。

私たちはどうしても「キリのいいところ」まで仕事や勉強をしてしまいます。

すると脳は、完了タスクと捉えてしまい、次の日の仕事の着手をハードル高く感じてしまいます。

しかし、中途半端なところで仕事を止めた場合どうでしょうか。

次の日、ツァイガルニク効果が発動し、脳はどうしてもその中途半端な状態を気にしてしまうため、仕事への取り掛かりがスムーズになるというものです。

(参考文献)
セルゲイ・ルビンシュテイン「一般心理学の基礎2」明治図書出版 (1982)

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