返報性の原理とは
返報性の原理(Norm of reciprocity)とは、他人から受けた善意や行動に対して、同様の行動や善意を返す傾向があるという心理的な原則のこと。
簡単に言えば、「いいことをされたら、いいことを返したくなる」という心理です。これは私たちの社会的な関係に大きな影響を与える法則であり、善意が循環する原動力とも言えます。
1960年代にアメリカの社会学者アルビン・グールドナーが提唱したものを、社会心理学者であるロバート・チャルディーニが自身の世界的ロングセラー「影響力の武器」の中で紹介したことで有名になりました。
いいことをした人に、いいことをしたくなって、さらにいいことされた人が、お返しにいいことを・・・
幸せな世界やん・・
返報性の原理の例
贈答物の返報性
同僚がおみやげを買ってきてくれたので、自分も旅に行ったときは買ってこよう
好意の返報性
自分に対して好意をみせた人のことを好きになってしまった
自己開示の返報性
相手が休日の過ごし方について話してくれたので、自分も自分のことについて話したくなる
譲歩の返報性
(居酒屋などで)みんなが最後の1個の唐揚げに手を付けないので、自分も食べようとしない
返報性の原理のメリット
信頼の構築
人々はお互いに助け合うことを通じて、信頼を築くことができます。善意の循環が続くことで、関係がより強固になります。
ポジティブな雰囲気
返報性の法則に基づく善意の行動は、ポジティブな雰囲気を生み出し、周囲の人々にも良い影響を与えます。
社会的な支援
困った時に人々が手を差し伸べてくれることは、心強いものです。返報性の法則によって、社会的な支援ネットワークが形成されます。
返報性の原理は、私たちの行動と関係性に大きな影響を与える心理的な原則です。他人からの善意に対する感謝の気持ちが、善意の循環を生み出し、より良い社会的なつながりを築く手助けとなります。お互いに助け合うことで、より豊かな人間関係を築いていきましょう。
(参考文献)
「影響力の武器 なぜ、人は動かされるのか」ロバート・B・チャルディーニ
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