ブルームの期待理論とは
ブルームの期待理論(Vroom’s Expectancy Theory)とは、得られる報酬とやる気の関係を示した考え方のこと。
イェール大学マネジメントスクールのビクター・ブルーム教授の1964年の著書「仕事とモチベーション」によると、やる気を生み出すには3つの重要な要素があるとしています。
期待(Expectancy)
頑張ることが成果につながると信じられること。
「もし私が頑張れば、目標を達成できる」という信念に関連します。自分の努力が実際に成果につながると確信できる場合、私たちはその目標に向かって一生懸命になります。逆に、努力が報われないと感じると、やる気を失ってしまいます。
例)
ある学生が試験勉強に取り組む場合、「もし十分に勉強すれば、試験で良い成績を取れる」と信じている状態です。この信念が強ければ強いほど、学生は勉強に対してより多くの努力をするでしょう。
用具性(Instrumentality)
頑張ることで生まれる将来的なリターンのこと。
「私の成果が報酬につながるか」についての認識です。例えば、良い成績を収めれば昇給や昇格があるという期待です。ここで大切なのは、報酬が公正で透明であること、そして実際に約束された報酬が得られることです。
例)
ある学生が良い成績を取った場合、それが奨学金の獲得や親からの特別なご褒美に直接つながると信じている状態です。学生が成果(良い成績)と報酬(奨学金やご褒美)の間に強い関連性を感じれば感じるほど、目標達成に向けての動機づけは高まります。
誘意性(Valence)
上記2つの魅力度のこと。
「期待」と「用具性」の価値は人によって異なります。例えば、ある人にとっての昇給は大きなモチベーションになりますが、別の人にとっては追加の休暇の方が価値が高いかもしれません。
例)
奨学金やご褒美がその学生にとって非常に魅力的であり、望ましいものである場合、これが価値の概念に該当します。学生が奨学金を非常に価値あるものとみなし、それを手に入れることを強く望むほど、その目標に向かって努力するモチベーションは高くなります。
この3つがやる気の「鍵」になるのね。
その3つを満たすアプローチが大事ってことだ。
モチベーションを高めるための実践的アプローチ
上の3つがモチベーションに直結するというのがブルームの期待理論ですが、この理論を知ったからといって、すぐに実生活や職場でのモチベーションが向上するわけではありません。
しかし、3つの要素をマネジメントする以下のようなアプローチを取り入れることで、自分自身やチームのモチベーションを高めることができます。
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