目的論

意思決定

目的論とは

目的論(Teleology)とは、人間の行動には全て目的があるとした考え方のこと。

そんなのなんとなく当たり前のように思えますが、「お腹が痛いので会社休むという例を考えてみましょう。

この場合、お腹が痛いという原因が会社を休むという行動を作っているようですが、お腹が痛い時、みんながみんな同じ行動をするでしょうか。

お腹が痛いので、午後から出社することにする。

お腹が痛いので、薬を飲んで出社することにする。

お腹が痛いとき「会社休む以外にも「ちょっと休んでから午後から出社することにする」「薬を飲んで落ち着いてから出社する」等、さまざまな行動パターンが考えられます。

お腹が痛いという原因があったとしても、人間の行動は多種多様だということです。

ならば、人間がどんな行動をするのかということに原因なんてものはさほど関係ないんじゃないかという考え方です。

目的論では、原因ではなく目的のために人間は行動をするとしています。

よって、「会社を休む」という目的のために「お腹が痛い」という原因を利用していると捉えます。

もちろんこれは、お腹が痛いことを欠勤の言い訳にすることを責めるものではなく、私たちの行動の源はどこから来ているのかを考えた時、それは原因ではなく目的にあるとした考え方です。

 

法則うさぎ
法則うさぎ

原因にとらわれすぎても…

イトケン
イトケン

なにを目的にするかのほうが大事ってこと♪

 

 

人間の行動にはすべて目的がある

貧乏なので、進学を諦めた。

虐待を受けていたから他人を信じられない。

上の2つの例も同じです。

確かに貧しさは進学のハードルを上げてしまいますが、貧しい人は100%進学できないのでしょうか。なにか他に手段はないのでしょうか。

また、虐待を受けていたからこそ、他人に優しく接しようとする人もいるはずですよね。

原因が同じでも、行動は同じにならない。

じゃあ、原因なんてどーでもよくて、それよりも自分がなにを目的にするか、それこそが人間の行動に直結しているわけです。

目的論の提唱者であるアルフレッド・アドラーによると、個人の行動はその人が自らの目標や意義をどのように捉え、追求しているかに影響を受けると自身の著書で触れています。

目的論では、個人が自らの目的を見出し、他者との協力を通じて成長し、社会と調和していくプロセスを強調しています。

個人の行動や心理を理解する際には、その人の目的に注目することが重要であり、それが精神的な健康と幸福感の鍵となるのです。

アドラー心理学の視点から見た目的論は、個人がより意味のある人生を送る手助けとなるはずです。

(参考文献)
岸見一郎「アドラー心理学入門―よりよい人間関係のために」ベストセラーズ(1999)https://amzn.to/48rMDPO

コメント

タイトルとURLをコピーしました