心理的安全性

チーム作り

心理的安全性とは

心理的安全性(Psychological safety)とは、自分の意見や気持ちを安心して表現でき、失敗やリスクを共有しやすい状態や環境のこと。

これは、新しいアイデアを提案することができ、他者とオープンにコミュニケーションをとることができる場を作り出すことができるというメリットが存在します。

しかし、メンバー同士が仲良いだけの俗に言う「ぬるま湯」状態ではありません。

何かと衝突を避ける「ゆるま湯」状態では、言いたいことも主張しなかったり、相手の間違いを指摘しないといったことが起こり得ますが、時にはぶつかり合うことがあっても、組織の成長や目標達成のために必要な意見を安心して主張することができる雰囲気こそが心理的安全性です。

この心理的安全性は、1950年代に心理療法士のカール・ロジャースによって提唱され、その後1999年にハーバード大学のビジネススクールのエイミー・エドモンソン教授が自身の論文で定義しました。

 

法則うさぎ
法則うさぎ

まさにチームの力を引き出す鍵だね。

イトケン
イトケン

ぬるま湯な状態とは根本的な意識が違うわけだ。

 

 

Googleの「プロジェクト・アリストテレス」計画

この心理的安全性に注目が集まるきっかけとなったプロジェクトがあります。

米Google社は、2012年から4年間「プロジェクト・アリストテレス」と呼ばれる生産性向上に関する計画を進めました。このプロジェクトは、数百ものチームを分析し、高い生産性を達成しているチームがどのような働き方をしているかを調査するというものです。

調査の結果、生産性はチームメンバーのスキルや労働時間に左右されるのではなく、他者への思いやりや、協力姿勢などが影響していることが明らかになりました。

つまり、心理的安全性こそが生産性向上に重要であるとGoogleは結論付けたというわけです。

 

 

心理的安全性のメリット

ミスや失敗を恐れずに挑戦できる
心理的安全性がある環境では、チームメンバーはミスや失敗を恐れずに新しいアイデアや方法を試すことができます。なぜなら、彼らは自分の提案が否定されても、尊重されることが保証されているからです。この自由な雰囲気が、クリエイティビティとイノベーションを生み出す原動力となります。

オープンなコミュニケーションが生まれる
心理的安全性が確保されると、チームメンバーは率直なコミュニケーションを心掛けるようになります。自分の考えや感情をオープンに共有することができ、他のメンバーとの信頼関係が深まります。これにより、チーム内の誤解や意見のすれ違いが減少し、円滑な協力が可能となります。

チームメンバーのメンタルヘルスが向上
心理的安全性が確立されると、メンバーは自分自身を偽らず、素直な気持ちを表現できるようになります。これがストレスの軽減につながり、結果としてメンタルヘルスの向上に寄与します。仕事において安心感が得られることで、チーム全体の生産性も向上します。

多様性の価値が引き出される
心理的安全性が確保されると、異なるバックグラウンドや経験を持つメンバーも自分の強みを最大限に発揮しやすくなります。個々の個性や専門知識が尊重され、それがチーム全体の力となります。

チーム全体のパフォーマンス向上
最後に、心理的安全性が高まることでチーム全体のパフォーマンスも向上します。メンバーが自由にアイデアを出し合い、コミュニケーションが円滑であれば、問題解決やプロジェクトの進行もスムーズになります。

 

 

素晴らしいチームのために

心理的安全性はチームの協力と成果に直結する要素であり、リーダーシップやメンバー同士の信頼構築が不可欠です。

皆が自分らしくいられる場を築くことで、チームはより柔軟で創造的な活動ができ、困難な課題にも果敢に取り組むことができるでしょう。

心理的安全性を重視して、素晴らしいチームを築いていきましょう!

(参考文献)
石井遼介「心理的安全性のつくりかた」日本能率協会マネジメントセンター(2020)https://amzn.to/48buPZl

コメント

タイトルとURLをコピーしました