標準偏差とは
標準偏差(Standard deviation)とは、平均からのズレやデータのバラつきを表す数値のこと。
ある作業が60分で完了できるものだとしても、実際には56分で終わったり、65分になってしまったり。結構、ブレやバラつきはあるものです。
標準偏差はそのブレやバラつきすらも数字で表してしまいます。
作業時間の見積りを立てるときや、予算を計画するときなど、その見積りのバラつきまで考慮できると、より優れた見積りを算出することができます。
つまり、見積り値の信頼度が分かるってことだね!
なんだか統計学っぽくなってきたな・・
標準偏差の計算式
1σ=(悲観値-楽観値)÷6
所要時間の見積りを考えるならば
1σは、68%の確率で計画が完了することを示し、
2σは、95%の確率で計画が完了することを示し、
3σは、99%の確率で計画が完了することを示します。
では、ある工事の完成までに必要な所要時間を見積もってみましょう。
この工事の完成にかかるまでの所要時間を、三点見積りベータ分布で計算すると・・
・楽観値 20日
・悲観値 40日
・最可能値30日
(20+40+120)÷6
三点見積りベータ分布で工事期間は30日間と算出できました。
ここで、先ほどの標準偏差の計算式に当てはめてみると、
1σは、(40-20)÷6= 3.3
つまり・・・
1σ→ 30日±3.3日で工事が終わる可能性が68%
2σ→ 30日±6.6日で工事が終わる可能性が95%
3σ→ 30日±9.9日で工事が終わる可能性が99%
というように算出できます。
このように、見積りのブレやバラつきすら数値で示すことができました。より精度の高い見積りを作成する際に、標準偏差を活用してみましょう。
(参考文献)
A Guide to the Project Management Body of Knowledge, Project Management Institute
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